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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科71巻12号

2017年12月発行

今月の臨床 あなたと患者を守る! 産婦人科診療に必要な法律・訴訟の知識

おさえておきたい法律・訴訟の基礎知識

医療事故と診療記録─関係する法的問題を中心として

著者: 前田正一1

所属機関: 1慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科

ページ範囲:P.1179 - P.1185

文献概要

●医療事故や紛争・訴訟を防止するためには,診療経過が過不足なく記載されており,診療経過の再現力を持つ記録を作成することが重要である.また,その記録は,誤記がなく,作成者以外の人にも判読可能なものであることが重要である.

●医療事故民事訴訟の消滅時効等との関係からすれば,保存義務期間にかかわらず,診療記録をできるだけ長く保存しておくことが望ましい.

●診療記録を改ざんした場合,その者に民事責任,刑事責任,行政上の責任が生じる可能性がある.もっとも,追記と改ざんは異なり,追記は問題がない.

参考文献

1)医療関係訴訟事件統計(http://www.courts.go.jp/saikosai/vcms_lf/29052601heikinshinri.pdf)
2)医事関係訴訟事件(地裁)の診療科目別既済件数(http://www.courts.go.jp/saikosai/vcms_lf/29052604sinryokakmoku.pdf)
3)日本医療機能評価機構ホームページ : 医療事故情報収集等事業 : 事例検索(http://www.med-safe.jp/mpsearch/SearchReport.action)
4)前田正一 : 診療録の作成・保存・開示.戸塚靖則・高戸毅(編) : 口腔科学,朝倉書店,2013
5)前田正一 : 医療事故と診療記録.日本産科婦人科学会誌59 : N519─N522, 2007
6)嶋崎明美 : 医療安全と診療記録,診療記録の監査と模擬カルテ開示.医療事故・紛争対応研究会医療事故・紛争対応人材養成講座(2017)抄録集

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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