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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科71巻4号

2017年04月発行

文献概要

増刊号 産婦人科画像診断トレーニング─この所見をどう読むか? 周産期

症例:胎児付属物➍

著者: 大浦訓章1

所属機関: 1杉山産婦人科産科・婦人科

ページ範囲:P.169 - P.174

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この画像をどう読むか?

症例

患者 30歳.

妊娠歴 未経妊.

既往歴 特記すべきことなし.

家族歴 特記すべきことなし.

妊娠・分娩経過 自然妊娠.妊娠21週,超音波断層法検査(図1)で胎盤肥厚(5.1cm).内容均一,羊水量正常.妊娠23週まで両側子宮動脈拡張期瘢痕を認めるも,妊娠25週より認めなくなる.妊娠36週まで胎児発育不全,羊水過少なし.胎盤厚は,妊娠23週7.2cm以降,妊娠38週まで7.5cmと変わらず.超音波カラードプラ法検査で胎盤への血流は28週以降母体側に豊富になり,38週左側子宮静脈との連続性が認められた(図2).

妊娠39週2日,誘発分娩にて経腟分娩(2,860g,女児,Apgar score 9/10).児娩出後胎盤娩出前から1,200mL出血.胎盤は娩出したが卵膜はすべて遺残.用手にて剝離する際,血腫280gがみられ,総出血量は1,810mLであった.癒着胎盤の所見なし.胎盤重量は550gで大きさは20×15×2cmと肥厚はなかったが後血腫を認めた.臍帯動脈はpH 7.2,Hb 16.3g/dLに対し臍帯静脈はHb 16.2g/dLと変わらなかったが,血小板数10.2×104/dLと明らかに低下していた.児のHbは16.5g/dL,血小板数は11.0万/dLであった.産後4日目,児の血小板数は16.5万/dLと正常となり,母児ともに退院した.

Q1 胎盤肥厚を起こす疾患を挙げよ.

Q2 妊娠・分娩経過から推定される疾患は何か?

解答,解説は次のぺージに☞

参考文献

1)有澤正義 : 臨床胎盤学.金芳堂,2015
2)Abramowicz JS, et al : Ultrasound of the placenta : a systematic approach. Part I : Imaging. Placenta 29 : 921─929, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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