文献詳細
文献概要
増刊号 産婦人科画像診断トレーニング─この所見をどう読むか? Column
母体腹壁誘導胎児心電図
著者: 佐藤尚明1
所属機関: 1東北大学病院産科
ページ範囲:P.207 - P.208
文献購入ページに移動 胎児well-beingの正確な診断は現代の産科医にとって最も重要な課題の1つである.これまで分娩監視装置を用いた胎児心拍数モニタリングが世界中で広く用いられているが,その評価には限界があることも産科医にとっては周知の事実である.
2004年より東北大学産婦人科では母体腹壁誘導胎児心電図装置の開発に取り組んできた.開発における主要な問題点は,胎児心電図信号が母体心電図,母体腹部の筋肉活動,外部の電気的干渉に比べ1/25〜1/100の低電位(脳波よりも低電位である)ということであり,これらを含んだ複合信号から胎児心電図信号をいかに分離できるかが大きな課題であった.われわれはその克服のために,参照系独立成分分析法をはじめとして新しい電極,フィルタリング,信号増幅技術,胎児心電図と超音波ドプラ信号の同時解析技術を開発し,世界に先駆けて胎児の胎位や胎動に左右されることなく(子宮内での胎児の位置や動きに関係なく)胎児心電図信号を抽出することを可能にした(図1).
2004年より東北大学産婦人科では母体腹壁誘導胎児心電図装置の開発に取り組んできた.開発における主要な問題点は,胎児心電図信号が母体心電図,母体腹部の筋肉活動,外部の電気的干渉に比べ1/25〜1/100の低電位(脳波よりも低電位である)ということであり,これらを含んだ複合信号から胎児心電図信号をいかに分離できるかが大きな課題であった.われわれはその克服のために,参照系独立成分分析法をはじめとして新しい電極,フィルタリング,信号増幅技術,胎児心電図と超音波ドプラ信号の同時解析技術を開発し,世界に先駆けて胎児の胎位や胎動に左右されることなく(子宮内での胎児の位置や動きに関係なく)胎児心電図信号を抽出することを可能にした(図1).
掲載誌情報