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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科71巻5号

2017年05月発行

連載 Obstetric News

妊娠39週での誘発分娩は待機的管理よりも母児に利点があるか?─②Dr. Lockwoodの意見

著者: 武久徹1

所属機関: 1武久レディースクリニック

ページ範囲:P.482 - P.484

文献概要

 選択的誘発分娩(elective induction of labor : eIOL)には利害得失がある.妊娠39週でのeIOLは,妊娠41週終了時のIOLを伴う待機的管理(expectant management : EM)に比べ,待機することによって続発する死産と肩甲難産同様に母体子癇前症と巨大児誘発のための児頭骨盤不均衡(CPD)または羊水過少症による帝王切開(帝切)を減少できる可能性がある.可能性があるリスクは臍帯脱出,子宮過剰刺激またはIOL不成功による帝切である.

 分娩の適切なタイミングに関連する医療には議論があり,健康な頭位単胎妊娠を対象に妊娠39週でのeIOLと妊娠41週までIOLを行わずEMを行う方法を直接比較した十分な規模の研究はない.最近の複数の小規模前方視的無作為化対照試験では,妊娠39週におけるeIOLは,より高齢の未産婦で帝切率の実質的増加には関連しない可能性があることを示唆している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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