文献詳細
今月の臨床 周産期メンタルヘルスケアの最前線─ハイリスク妊産婦管理加算を見据えた対応をめざして
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文献概要
●周産期医療は,これまで母体の産科合併症の管理が中心であったが,近年,「産後うつ」を始めとする精神の不調をかかえる妊産婦への支援の重要性が認識されている.
●周産期メンタルヘルスにおいては,精神科を含めた各診療科にまたがる多職種連携に加えて,病院と地域との連携が不可欠であり,また迅速な対応や柔軟な判断を要する場合も少なくない.
●精神疾患がハイリスク対象化となっても,母体の身体的合併症がない場合には,自然分娩となることが多い.自然分娩の場合には,ハイリスク分娩管理加算が請求できない点が,今後の課題である.
●周産期メンタルヘルスにおいては,精神科を含めた各診療科にまたがる多職種連携に加えて,病院と地域との連携が不可欠であり,また迅速な対応や柔軟な判断を要する場合も少なくない.
●精神疾患がハイリスク対象化となっても,母体の身体的合併症がない場合には,自然分娩となることが多い.自然分娩の場合には,ハイリスク分娩管理加算が請求できない点が,今後の課題である.
参考文献
1)第13回 日本周産期メンタルヘルス学会 学術集会抄録集.pp20─24,2016
2)研修ノートNo97.社会的・精神的な援助が必要な妊産婦への対応.日本産婦人科医会,2017
3)妊娠等について悩まれている方のための相談援助事業連携マニュアル─妊産婦のメンタルヘルスケア体制の構築をめざして,改訂版.日本産婦人科医会,2014
4)立花良之,他 : 妊娠期から母親のメンタルヘルスや育児を支援する多職種地域連携システムの試み : 周産期G-Pネット.信州公衛誌8 : 18─19,2013
5)吉田敬子,他 : 妊娠・出産・育児に関わるメンタルヘルスケアの現状と課題 : 総論.精神医学58 : 103─113,2016
6)日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会(編) : CQ 315 産褥精神障害の取り扱いは? 産婦人科診療ガイドライン─産科編 2017.日本産科婦人科学会,2017
7)日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会(編) : CQ 011 妊娠中の精神障害のリスク評価の方法は? 産婦人科診療ガイドライン─産科編 2017.日本産科婦人科学会,2017
8)National Institute for Health and Care Excellence(NICE) : Antenatal and postnatal mental health : clinical management and service guidance. London. https://www.nice.org.uk/guidance/cg192
9)西園マーハ文 : 多職種による連携,当事者との連携.産後メンタルヘルス援助の考え方と実践.pp177─201,岩崎学術出版社,2011
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