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今月の臨床 「産婦人科診療ガイドライン─産科編 2017」の新規項目と改正点 CQ004-3(新規)
妊娠・産褥期に深部静脈血栓塞栓症(DVT)や肺血栓塞栓症(PTE)の発症を疑ったら?
著者: 森川守1
所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科産科・生殖医学分野
ページ範囲:P.709 - P.714
文献購入ページに移動●急性PTEならびにDVTに対しては,母体救命のために,(1次施設においても)まず初期対応だけでも施行していただきたい.
●すでに意識を消失している場合や全身状態が不安定な場合には,DVTやPTEの診断よりも治療(初期対応,特に呼吸循環管理)を優先する.
●DVTでは,常にPTEを念頭に診断・治療を進める.
●対応が自施設・自科で困難な場合には,高次施設や専門他科(循環器内科医・循環器外科医など)へ紹介あるいは連携管理を行う.
●すでに意識を消失している場合や全身状態が不安定な場合には,DVTやPTEの診断よりも治療(初期対応,特に呼吸循環管理)を優先する.
●DVTでは,常にPTEを念頭に診断・治療を進める.
●対応が自施設・自科で困難な場合には,高次施設や専門他科(循環器内科医・循環器外科医など)へ紹介あるいは連携管理を行う.
参考文献
1)日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会(編集・監修) : 産婦人科診療ガイドライン─産科編 2014.CQ004-1 妊娠中の静脈血栓塞栓症(VTE)の予防は? pp10─14,CQ401-2 分娩後の静脈血栓塞栓症(VTE)の予防は? pp15─18,日本産科婦人科学会,2014 URL : http://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_sanka_2014.pdf
2)日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会(編集・監修) : 産婦人科診療ガイドライン─産科編 2017.CQ004-3 妊娠・産褥期に深部静脈血栓塞栓症(DVT)や肺血栓塞栓症(PTE)の発症を疑ったら? pp20─25,日本産科婦人科学会,2017
3)日本循環器学会/日本医学放射線学会/日本胸部外科学会/日本血管外科学会/日本血栓止血学会/日本呼吸器学会/日本静脈学会/日本心臓血管外科学会/日本心臓病学会(班長 : 安藤太三) : 肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断,治療,予防に関するガイドライン(2009年改訂版).日本循環器学会,2009 URL : http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_andoh_h.pdf
4)Wells PS, et al : Evaluation of D-dimer in the diagnosis of suspected deep-vein thrombosis. N Engl J Med 349 : 1227─1235, 2003
5)Wells PS, et al : Derivation of a simple clinical model to categorize patients probability of pulmonary embolism: increasing the models utility with the SimpliRED D-dimer. Thromb Haemost 83 : 416─420, 2000
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