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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科72巻11号

2018年11月発行

今月の臨床 男性不妊アップデート─ARTをする前に知っておきたい基礎知識

診断法

標準化された精液検査法・自宅で行えるスマートフォンを利用するCASAシステムについて

著者: 渡邊倫子1 山崎一恭234 岩本晃明2

所属機関: 1山王病院リプロダクションセンター・婦人科内視鏡治療センター 2山王病院リプロダクションセンター・婦人科内視鏡治療センター男性不妊部門 3筑波学園病院泌尿器科 4筑波学園病院リプロダクションセンター

ページ範囲:P.1054 - P.1061

文献概要

●精液検査は禁欲期間により精子濃度,運動率に影響を及ぼすことがあり,記載しておくことが望ましい.個人内変動があるため1回で判定してはいけない.最低2回,変動が多い場合には3回行う.

●精液検査をMakler chamberで行う場合,精子濃度の測定はホルマリン固定して測定すると精度が上がる.精液量は5μLを載せること.目視より20〜40%程度精子濃度が高くなる.

●スマートフォンによる自宅で行えるCASAの精度は,目視と比較すると芳しくない.しかし男性患者が病院に来たがらない,恥ずかしい,忙しいなどの理由で来院しない患者への受診の動機付けにはなる.

参考文献

1)日本泌尿器科学会(監修)/精液検査標準化ガイドライン作成ワーキンググループ(編) : 精液検査標準化ガイドライン.金原出版,2003
2)World Health Organization : WHO laboratory manual for the Ezamination and processing of human semen, 4th ed. World Health Organization Press, Geneva, 2010
3)吉池美紀,他 : 精液検査の標準化の実際.不妊・不育 診療指針(柴原浩章 編).中外医学社,2014
4)岩本晃明,他 : 精液検査標準化ガイドライン刊行2年後のガイドライン普及状況に関するアンケート調査.日受精着床会誌23 : 43─49, 2006
5)吉池美紀,他 : CD-ROMデジタル画像による精液検査のトレーニングと精度管理の試み.日受精着床会誌23 : 62─70, 2006
6)吉池美紀,他 : 精液検査にMakler chamberをしようするなら知っておきたいこと.臨泌60 : 1025, 2006
7)渡邊倫子,他 : スマートフォンを使用し,自宅で行う簡易精子自動分析機の有用性に関する検証.日受精着床会誌34 : 71─77, 2017
8)Osman A, et al : The effect of sperm DNA fragmentation on live birth rate after IVF or ICSI : a systematic review and meta-analysis. Reprod Biomed Online 30 : 120─127, 2015
9)Yamasaki K, et al : Relationship between Semenogelins bound to human sperm and other semen parameters and pregnancy outcomes. Basic Clin Androl 27 : 15, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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