文献詳細
連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール
術前に診断困難であった直腸がん異時性びまん性子宮筋層転移の1症例
著者: 中島文香1 丸山康世1 平吹知雄1
所属機関: 1小田原市立病院産婦人科
ページ範囲:P.285 - P.288
文献概要
▶患者
73歳,2回経妊2回経産,閉経55歳.
▶主訴
自覚症状なし.
▶既往歴
直腸がん,高血圧,子宮筋腫.
▶現病歴
71歳時に直腸がんに対して,前医外科で腹腔鏡下低位前方切除術を施行し,直腸がん,25×25mm,SE, ly0v0n0,stageⅡの診断となり,後療法不要で術後フォローアップ中であった.術後に一度CEA 1.9ng/mL,CA19-9 8.8U/mLまで低下していた腫瘍マーカーが,当院来院2か月前から徐々に上昇する傾向にあった.胸腹部造影CT検査で子宮体部に造影効果を認めたが,大腸内視鏡検査にて直腸粘膜に異常はなく,子宮体がんを強く疑い,精査目的に当院当科へ紹介受診となった.若年時より多発子宮筋腫の指摘はあった.不正性器出血などの本人の自覚症状はなかった.
参考文献
掲載誌情報