臨床婦人科産科72巻4号

2018年04月発行

増刊号 産婦人科外来パーフェクトガイド─いまのトレンドを逃さずチェック！ 【症状編】代表的な症状からの疾患鑑別 《婦人科外来》

原発性無月経

著者： 齊藤真¹ 榊原秀也²

所属機関： ¹横浜市立大学附属病院産婦人科 ²横浜市立大学附属市民総合医療センター婦人科

ページ範囲：P.6 - P.10

鑑別診断のポイント
❖原発性無月経の原因は器質的な異常と内分泌学的な異常の両方を検索する必要があることを念頭におき，診察にあたる．
❖器質的な異常を認める場合，性腺摘出など早急な処置を必要とするものと，腟造設など適切な時期に処置を行うべきものとがあることを認識する．
❖内分泌学的な異常を認める場合，必要に応じて早期からのホルモン補充（エストロゲン，プロゲスチン）を行い，骨量の獲得を図って将来的な骨粗鬆症予防を行う．

参考文献

1）日本産科婦人科学会（監・編） : 産科婦人科用語集・用語解説集，改定第3版．日本産科婦人科学会，2013

2）三宅　侃，他 : 原発性無月経の原因．産婦の進歩43 : 452─454, 1991

3）日本小児内分泌学会薬事委員会 : ターナー症候群におけるエストロゲン補充療法ガイドライン．日小児会誌112 : 1048─1050, 2008

4）Rimon DL : Disorders of the gonads, genital tract, and genitalia. Emery and Rimoin's Principles and Practice of Medical Genetics, （3rd ed.）. pp1477─1500, Churchill Livingstone, Edinburgh, 1997

5）Simpson E, et al : Aromatase cytochrome P450, the enzyme responsible for estrogen biosynthesis. Endocr Rev 15 : 342, 1994

6）武谷雄二（編） : （新女性医学体系4）女性の症候学．pp15─37，中山書店, 1998

7）日本産科婦人科学会（監・編） : 産婦人科研修の必修知識2016─2018，p425，日本産科婦人科学会，2016

8）Carrascosa A, et al : Spontaneous, but not induced, puberty permits adequate bone mass acquisition in adolescent Turner syndrome patients. J Bone Miner Res 15 : 2005─2010, 2000