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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科72巻4号

2018年04月発行

文献概要

増刊号 産婦人科外来パーフェクトガイド─いまのトレンドを逃さずチェック! 【疾患編3】周産期 《周産期疾患》

胎児機能不全

著者: 藤森敬也1 経塚標1 安田俊2

所属機関: 1福島県立医科大学医学部産科婦人科学講座 2福島県立医科大学医学部周産期・小児地域医療支援講座

ページ範囲:P.212 - P.215

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外来管理のポイント
❖胎児機能不全(non-reassuring fetal status : NRFS)とは,胎児well-being評価法を用いても,胎児状態が良好であること(reassuring fetal status)を確認できない状態であり,決してすべてが胎児状態の悪化を意味しているわけではない.
❖子宮内環境と胎児発育とは関連性が強いので,外来では胎児発育に注意を払う必要がある.胎児成長が良好であれば子宮内環境は良好であるが,胎児発育不全の場合は胎児機能不全となりやすい.
❖羊水量減少や胎児血流ドプラ波形異常,胎児発育停止は,慢性的な子宮内環境の悪化を示唆している.外来で胎児発育不全を認める場合は,羊水量減少や胎児血流ドプラ波形異常がないかに特に注意し,入院管理を考慮する.

参考文献

1)岡村州博 :「胎児機能不全」の用語決定への考え方.日産婦会誌61 : 1303─1305, 2009
2)Freeman RK, et al : A prospective multi-institutional study of antepartum fetal heart rate monitoring. II. Contraction stress test versus non stress test for primary surveillance. Am J Obstet Gynecol 143 : 778─784, 1982
3)藤森敬也,他 : 予後不良因子を有する胎児とその管理.産婦の実際67 : 10─16, 2002
4)Signore C, et al : Antenatal testing : a reevaluation. Obstet Gynecol 113 : 687─701, 2009
5)日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会(監・編) : CQ408 胎児蘇生法については? 産婦人科診療ガイドライン─産科編 2014.日本産科婦人科学会,2014
6)Baschat AA, et al : The sequence of changes in Doppler and biophysical parameters as severe fetal growth restriction worsens. Ultrasound Obstet Gynecol 18 : 571─577, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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