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増刊号 産婦人科外来パーフェクトガイド─いまのトレンドを逃さずチェック! 【疾患編3】周産期 《周産期疾患》
前置胎盤
著者: 仲村将光1
所属機関: 1昭和大学医学部産婦人科学講座
ページ範囲:P.216 - P.219
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❖前置胎盤を正しく診断し,高次施設に紹介するためには,妊娠30週までに組織学的内子宮口と胎盤辺縁との位置関係に加えて子宮下節長を考慮した評価が重要である.
❖前置胎盤と診断した症例では,妊娠35〜37週の時期に帝王切開を予定し,その予定に沿って分娩時出血に備えるための自己血貯血を行う(自己血の保存期間に注意!).
❖前置胎盤症例に出血を認めた場合,いったん止血していたとしても,のちの緊急帝王切開に備えて入院管理を行う(出血を認めた前置胎盤の約6割は緊急帝王切開となる).
❖前置胎盤を正しく診断し,高次施設に紹介するためには,妊娠30週までに組織学的内子宮口と胎盤辺縁との位置関係に加えて子宮下節長を考慮した評価が重要である.
❖前置胎盤と診断した症例では,妊娠35〜37週の時期に帝王切開を予定し,その予定に沿って分娩時出血に備えるための自己血貯血を行う(自己血の保存期間に注意!).
❖前置胎盤症例に出血を認めた場合,いったん止血していたとしても,のちの緊急帝王切開に備えて入院管理を行う(出血を認めた前置胎盤の約6割は緊急帝王切開となる).
参考文献
1)Oyelese Y, et al : Placenta previa, placenta accrete, and vasa previa. Obstet Gynecol 117 : 927─941, 2006
2)Faiz AS, et al : Etiology and risk factors for placenta previa : an overview and meta-analysis of observational studies. J Matern Fetal Neonatal Med 13 : 175─190, 2003
3)新垣達也,他 : 母児の予後から見た前置胎盤症例における娩出のタイミング.周産期シンポジウム抄録集34 : 77─82, 2016
4)Clark SK, et al : Placenta previa/accrete and abortion : a metaanalysis. Am J Obstet Gynecol 66 : 89─92, 1985
5)Miller DA, et al : Clinical risk factors for placenta previa-placenta accrete. Am J Obstet Gynecol 177 : 210─214, 1997
6)Sliver RM, et al : Maternal morbidity associated with multiple repeat cesarean deliveries. Obstet Gynecol 107 : 1226─1232, 2006
7)日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会(監・編) : 産婦人科診療ガイドライン─産科編2017.前置胎盤の診断・管理は? pp163─167,日本産科婦人科学会,2017
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