臨床婦人科産科72巻4号

2018年04月発行

増刊号 産婦人科外来パーフェクトガイド─いまのトレンドを逃さずチェック！ 【疾患編3】周産期 《妊婦のコモンディジーズ》

尿路感染症

著者： 田中幹二¹ 小玉都萌²

所属機関： ¹弘前大学医学部附属病院周産母子センター ²弘前大学大学院医学研究科産科婦人科学教室

ページ範囲：P.281 - P.284

外来管理のポイント
❖妊婦においては，腎盂腎炎の発症予防のため妊娠早期に細菌尿のスクリーニング検査を行い，陽性の場合は無症候性細菌尿であっても治療すべきである．
❖妊婦の尿路感染症（無症候性細菌尿，急性膀胱炎，急性腎盂腎炎）の原因菌として検出されるのは，主に大腸菌である．
❖治療の際には胎児への安全性を考慮し，抗菌薬はペニシリン系薬あるいはセフェム系薬を第一選択とするが，近年の薬剤耐性菌の出現も考慮し選択する．

参考文献

1）Nicolle LE : Asymptomatic bacteriuria. Infect Dis Clin North Am 17 : 367─394, 2003

2）Schieve LA, et al : Urinary tract infection during pregnancy. Am J Public Health 84 : 405, 1994

3）山下理絵，他 : 腎・泌尿器疾患．村田雄二（編） : 合併症妊娠，改訂3版．pp192─205，メディカ出版，2011

4）JAID/JSC感染症治療ガイド・ガイドライン作成委員会（編） : JAID/JSC感染症治療ガイドライン2015．ライフサイエンス出版，2015

5）Cunnningham FG, et al（eds） : Renal and urinary tract disorders. Williams Obstetrics 24th ed. pp1051─1068, McGRwHill, 2014

6）Nicolle LE，et al : Infectious Diseases Society of America Guidelines for the diagnosis and treatment of asymptomatic bacteriuria in adults. Clin Infect Dis 40 : 643─654, 2005

7）藤田聡子，他 : 妊婦無症候性細菌尿のスクリーニング．産婦治療95 : 89─94, 2007

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9）中嶋一彦，他 : 耐性菌を念頭に置いた尿路感染への抗菌薬の使用．日化療会誌64 : 513─517, 2016

10）宮﨑博章，他 : 妊婦の無症候性細菌尿への対応．日本医事新報4753 : 60, 2015