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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科72巻8号

2018年08月発行

今月の臨床 スペシャリストに聞く 産婦人科でのアレルギー対応法

アレルギーの病態とアナフィラキシー

成人に起こるアナフィラキシーとその治療

著者: 中村陽一1

所属機関: 1横浜市立みなと赤十字病院アレルギーセンター

ページ範囲:P.741 - P.748

文献概要

●妊婦のアナフィラキシーの原因は周産期の新生児感染や帝王切開後の母体感染を予防するための抗菌薬が多く,その他,オキシトシン,筋弛緩薬,麻酔薬,ラテックス,殺菌薬などがある.

●妊婦のアナフィラキシー症状の特徴は,通常の皮膚・粘膜症状,呼吸器症状,消化器症状や循環器症状に加えて,外陰部と腟付近の瘙痒,下背部痛,子宮痙攣,胎児の異常,早産などである.

●妊婦の場合に特にアナフィラキシーとの鑑別が問題となる病態は,肺塞栓や肺水腫,心機能低下,虚血性心疾患や僧房弁狭窄症,低血圧症,脳血管障害,羊水塞栓症などである.

●妊娠中のアナフィラキシー予防対策は一般のそれと同様であるが,原因探索のための皮膚プリックテスト,チャレンジテスト,脱感作や免疫療法はその危険性から通常は実施されない.

参考文献

1)日本アレルギー学会(監修) : アナフィラキシーガイドライン.クニメディア,2014
2)Simons FER, et al : World Allergy Organization anaphylaxis guidelines : summary. J Allergy Clin Immunol 127 : 587─593. e1─22, 2011
3)Chaudhuri K, et al : Anaphylactic shock in pregnancy : a case study and review of the literature. Int J Obstet Anesth 17 : 350─357, 2008
4)Simons FE, et al : Anaphylaxis during pregnancy. J Allergy Clin Immunol 130 : 597─606, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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