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今月の臨床 スペシャリストに聞く 産婦人科でのアレルギー対応法 疾患各論
母乳栄養により発症する新生児・乳児消化管アレルギー
著者: 久松千恵子1
所属機関: 1姫路赤十字病院小児外科
ページ範囲:P.802 - P.806
文献購入ページに移動●新生児・乳児消化管アレルギーは食物アレルギーの一種である.母乳栄養児にも消化管アレルギーは起こりうる.
●症状の主体は,血便,下痢,腹部膨満などの消化器症状ではあるが,ほかに発疹や発熱,体重増加不良などで発症することもあり,その臨床像は多彩である.
●診断には外科的消化器疾患を始めとするさまざまな疾患との鑑別が必要となり,そのなかには急な治療を要する疾患も含まれている.本症が疑われる場合は小児科や小児外科へコンサルトしてほしい.
●症状の主体は,血便,下痢,腹部膨満などの消化器症状ではあるが,ほかに発疹や発熱,体重増加不良などで発症することもあり,その臨床像は多彩である.
●診断には外科的消化器疾患を始めとするさまざまな疾患との鑑別が必要となり,そのなかには急な治療を要する疾患も含まれている.本症が疑われる場合は小児科や小児外科へコンサルトしてほしい.
参考文献
1)久松千恵子,他 : 完全母乳栄養中に多彩な症状で発症し,母乳のリンパ球刺激試験が診断に参考となった新生児・乳児消化管アレルギーの4例.日小外会誌50 : 1033─1038, 2014
2)日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会 : 消化管アレルギーとその関連疾患 ; 食物アレルギー診療ガイドライン2016.pp156─165,協和企画,2016
3)位田 忍,他 : 小児の消化管運動機能異常の病態解明と臨床への展開─乳児の消化管運動機能異常におけるミルクアレルギーの関与の検討.日小児栄消肝会誌21 : 7─11, 2007
4)厚生労働省難治性疾患研究班,新生児─乳児アレルギー疾患研究会,日本小児栄養消化器肝臓病学会ワーキンググループ : 新生児─乳児消化管アレルギー(新生児─乳児食物蛋白誘発胃腸炎)診断治療指針.2016年1月12日改訂(http//nrichd.ncchd.go.jp/imal/FPIES/icho/pdf/fpies.pdf)(2018年4月現在)
5)日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会 : 予知と予防 ; 食物アレルギー診療ガイドライン2016.pp47─57,協和企画,2016
6)久松千恵子,他 : 新生児・乳児消化管アレルギー,完全母乳栄養中に発症した新生児・乳児消化管アレルギーの検討.小児外科49 : 670─674, 2017
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