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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科73巻4号

2019年04月発行

文献概要

増刊号 産婦人科救急・当直対応マニュアル Ⅲ.産科編 周産期救急疾患への初期対応

常位胎盤早期剝離

著者: 進藤亮輔1 青木茂1

所属機関: 1横浜市立大学附属市民総合医療センター総合周産期母子医療センター

ページ範囲:P.207 - P.210

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当直医へのコール
◉妊婦が腹痛・出血を訴える場合は,必ず常位胎盤早期剝離(以下早剝)を念頭に置いて可及的速やかに来院を指示し,診察を行う.
◉性器出血を生じないタイプの早剝の場合,切迫早産や前駆陣痛との鑑別は容易ではない.切迫早産の診断で他院より搬送されてくる症例についても,早剝の可能性を考慮する.
◉胎児機能不全を伴う早剝と診断した場合は,速やかな児の娩出を行う.播種性血管内凝固症候群(DIC)のハイリスクのため,凝固因子を含めた十分な輸血の手配,医療スタッフの招集が必要である.一方,子宮内胎児死亡の場合は娩出を焦らず,DICの治療を優先した管理を行う.

参考文献

1)Cunningham FG, et al : Williams Obstetrics 25th edition. McGraw-Hill Education/Medical, 2018
2)Hurd WW, et al : Selective management of abruptio placentae : a prospective study. Obstet Gynecol 61 : 467, 1983
3)Kasai M, et al : Prediction of perinatal outcomes based on primary symptoms in women with placental abruption. J Obstet Gynecol Res 41 : 850-856, 2015
4)武久 徹,他 : 胎児心拍数モニタリングの実際 一歩進んだ分娩前・分娩中胎児管理法.p86-87,医学書院,1998
5)日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会 : 産婦人科診療ガイドライン産科編2017.pp186-190,日本産科婦人科学会事務局,2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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