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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科73巻4号

2019年04月発行

増刊号 産婦人科救急・当直対応マニュアル

Ⅲ.産科編 妊産褥婦の合併疾患への対処法 内分泌・自己免疫疾患

甲状腺クリーゼ

著者: 脇野修1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部内科学教室腎臓内分泌代謝内科

ページ範囲:P.310 - P.316

文献概要

当直医へのコール
◉甲状腺クリーゼは疑うことから診療が始まる.甲状腺疾患の既往歴や診断基準の症状がそろった時は,甲状腺ホルモン値をオーダーすることが肝要である.
◉妊娠による甲状腺機能亢進症から甲状腺クリーゼとなることは少ない.甲状腺機能亢進症の既往を有する患者に感染,耐薬などのさまざまな背景で発症する.
◉中枢神経症状,発熱(38℃以上),頻脈(130回/分以上),心不全症状,消化器症状が3つ以上か2つ以上そろっていた場合,積極的に疑うこととなる.
◉疑ったら初期治療が重要であるのでICU,HCU管理として,循環器医,内分泌医,神経内科医,麻酔科医などさまざまな科への依頼を行い集学的に治療を進める.

参考文献

1)赤水尚史,他 : 甲状腺クリーゼ診断基準(第2版).(http://www.japanthyroid.jp/doctor/problem.html)
2)Sheffield JS, et al : Thyrotoxicosis and heart failure that complicate pregnancy. Am J Obstet Gynecol 190 : 211-217, 2004
3)American College of Obstetricians and Gynecologists : Practice Bulletin No. 148 : Thyroid disease in pregnancy. Obstet Gynecol 125 : 996-1005, 2015
4)日本甲状腺学会,他 : 甲状腺クリーゼ診療ガイドライン2017.南江堂,2017
5)POEMスタディグループ : 妊娠初期に投与されたチアマゾール(MMI)の妊娠結果に与える影響に関する前向き研究(pregnancy outcomes of exposure to methimazole study : POEM study):中間報告.(http://www.ncchd.go.jp/kusuri/news_med/report_2011111.pdf)
6)日本甲状腺学会「バセドウ病薬物治療ガイドライン」作成委員会,他 : 妊娠初期のチアゾール投与に関する注意喚起について.2011.11.30(http://www.japan thyroid.jp/doctor/information/index.html#ninshin)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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