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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科74巻1号

2020年01月発行

文献概要

合併増大号 今月の臨床 周産期超音波検査バイブル―エキスパートに学ぶ技術と知識のエッセンス 胎児疾患編

胎児心疾患

著者: 金基成1

所属機関: 1神奈川県立こども医療センター循環器内科

ページ範囲:P.135 - P.141

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●左心室がかなり小さくても心尖部まで達している場合は,出生後に左心低形成症候群とはならずに二心室循環が成立する可能性が高い.この場合,単純型大動脈縮窄症の鑑別を要する.

●臨床上重要な心室中隔欠損は,四腔断面ではなくfive chamber viewで大動脈弁近くに認めることが多い.

●完全大血管転位症などの流出路疾患の検出には,まずthree vessel viewやthree vessel trachea viewの異常を指摘し,次に各断面の間をスウィープすることで心室血管の連続性を診断していく.

●単独の総肺静脈還流異常症の検出には,左心房―大動脈距離の拡大,異常血管(垂直静脈)の検出など複数のスクリーニングポイントがあるが,なかでも肺静脈血流波形の平坦化は,肺静脈狭窄を伴う重症例の検出に有用である.

参考文献

1)金 基成,他 : 「胎児期の小さい左室」の予後.産婦の実際66 : 363-367, 2017
2)Ishii Y, et al : ‘I-shaped’ sign in the upper mediastinum : a novel potential marker for antenatal diagnosis of d-transposition of the great arteries. Ultrasound Obstet Gynecol 41 : 667-671, 2013
3)Kawazu Y, et al : ‘Post-LA space index’ as a potential novel marker for the prenatal diagnosis of isolated total anomalous pulmonary venous connection. Ultrasound Obstet Gynecol 44 : 682-687, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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