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雑誌目次

雑誌文献

臨床婦人科産科74巻11号

2020年11月発行

雑誌目次

今月の臨床 論文作成の戦略―アクセプトを勝ちとるために

アクセプトを目指した論文の書き方

著者: 濵西潤三 ,   万代昌紀

ページ範囲:P.1090 - P.1098

●投稿したい雑誌の先行論文を数多く読むことで,定型の記述法や論理展開を学ぶ.

●FigureやTableはResultをアピールする最大のツールであり,正確かつ統一感をもって作成をする.

●読者の側に立った丁寧な論文作成を目指す.

いまさら聞けない論文作成のキホン

題名・緒言(Title・Introduction)はどう書けば魅力的か?

著者: 馬淵誠士 ,   山中彰一郎 ,   市川麻祐子

ページ範囲:P.1099 - P.1106

●TitleおよびIntroductionは,論文の印象を決める重要パートである.

●Titleは“concise and informative”を原則とする.

●Introductionには,その研究を行う根拠,仮説,解析方法を簡潔に示す.

適切な統計解析の使い方

著者: 濱野鉄太郎

ページ範囲:P.1107 - P.1111

●事前に解析を計画すると,論文の信頼性が向上する.

●主解析を1つに絞ると,偽陽性のリスクが低減する.

●現代臨床統計学は非常に複雑で,できる限りコンサルトを受けて欲しい.

図表作成のポイント

著者: 的場優介 ,   阪埜浩司 ,   青木大輔

ページ範囲:P.1112 - P.1119

●投稿先の投稿規定を熟読し,規定に沿った図表を作成する.

●図表作成には投稿規定に載っていない“一般常識”がある.

●ファイル形式や解像度など,馴染みの少ない部分にも注意して作成する.

考察(Discussion)はどう書けば魅力的か?

著者: 梶山広明

ページ範囲:P.1120 - P.1125

●論点考察の段落は以下の3つのパートから構成される.①本研究では何を見つけたか? ②それにはどのような意義があるのか? ③今後,どのように展開し,発展させていくのか?

●どんなにすぐれた医学研究にもlimitationはある.書くべきlimitationが書かれていないと,かえってreviewerの心証が悪くなる.

●考察執筆のような“クリエイティブ”な文章を作成するのは,頭が澄み切っている朝に限る.

投稿するジャーナルの選定と査読の流れ―悪徳雑誌(ハゲタカジャーナル)の見分け方

著者: 澤田健二郎

ページ範囲:P.1126 - P.1134

●まず論文で報告したい要旨を簡潔にまとめ,その研究内容の重要度,インパクトを客観的に評価し,どのような層の読者に伝えたいか明確にする.

●impact factor(IF)はジャーナルの平均的な論文の被引用回数に過ぎないが,ジャーナルの影響力の一つの指標である.投稿先ジャーナルの選定の際の参考資料となる.

●研究内容によってはオープンアクセス誌への投稿はやむを得ない.その際に悪徳雑誌(ハゲタカジャーナル)にひっかからないように気をつける.

査読意見に対する回答の仕方

著者: 小林陽一

ページ範囲:P.1135 - P.1139

●査読してくれたことに対して敬意を示しましょう.

●修正論文を再投稿する前に,投稿規定をもう一度確認し,上級医のチェックを受けてから再投稿しましょう.

●質問・指摘に対して1つずつ丁寧に回答し,本文中にもマーカーや赤字などで示して修正部分が一目でわかるようにしましょう.

論文のまとめ方 : 実践編

症例報告の書き方―意義,症例選定,雑誌選定

著者: 高橋宏典

ページ範囲:P.1140 - P.1144

●症例報告を書き続けることで,人生が変わる.

●症例報告は「臨床的に有用である」から書くという気持ちを忘れない.

●可能であれば国際雑誌(英文)に挑戦する.impact factor(IF)がつく雑誌が望ましいが,IFがつかなくても,PubMedに掲載される雑誌を目指す.

臨床研究のまとめ方―研究デザインの設定から正しい結果の導き方まで

著者: 渡利英道 ,   金野陽輔

ページ範囲:P.1145 - P.1149

●研究者共通のclinical questionを明確にし,それを明らかにすることで患者,医療者双方に有益な質の高いエビデンスが得られる臨床研究を行う.

●試験計画時点での状況を詳細に調査して整理し,計画時の標準治療が何か,試験治療として何が最も有望であるのかを明確にする.

●試験を遂行するにあたって問題となる点をクリアにしたうえで試験計画を策定すること,必要症例数や試験期間についても可及的正確に見積もる必要があることに留意する.

基礎研究のまとめ方―実験計画の立案から論文作成まで

著者: 織田克利

ページ範囲:P.1150 - P.1156

●研究は地道な積み重ねであり,既知のことをよく理解することが第一歩である.

●日ごろからプレゼンテーションの機会をもち,自分のデータを表現する習慣をつける.

●予想に反する結果が出たときの考察など,研究者としての力量を身につけることが,論文を書くうえでも血肉となる.

英文論文にチャレンジしよう!

初めて英文論文を書く人へのアドバイス

著者: 矢幡秀昭 ,   加藤聖子

ページ範囲:P.1157 - P.1160

●症例報告から英文論文にチャレンジしよう.

●投稿前にはSI値のチェックを行おう.

●個人情報保護に気を付けよう.

Cover letterはどう書けば魅力的か?

著者: 田中良道

ページ範囲:P.1161 - P.1164

●ジャーナルの投稿規程をしっかり読んで必要な記載事項を確認することが重要.

●Cover letterはEditorとのファーストコンタクトになるので第一印象が大事.

●論文の新規性や価値を簡潔にわかりやすくまとめているか,投稿規程を遵守しているかは特に重要な項目となる.

英文校正に求めるもの

著者: 太田剛

ページ範囲:P.1165 - P.1168

●英文校正は言語面のチェックに加え,フォーマット調整や論理の流れ,構成などに踏み込んだ校正サービスもある.

●剽窃(plagiarism)チェックサービスでの修正は英文校正では行われない.

●英文校正者は研究内容,文章の論理構成を理解し,英文論文のレベルを向上させる建設的な提案ができる校正者が理想である.

連載 FOCUS

実験動物作製におけるマイクロマニピュレーションの自動化システムの開発―生殖補助医療への導入の可能性を含めて

著者: 江藤智生 ,   田中伸明 ,   植田裕基 ,   秦順一

ページ範囲:P.1170 - P.1173

はじめに

 遺伝子改変技術は新たな実験動物の作製に不可欠な手法である.その手法の主たるものは胚や配偶子へのマイクロマニピュレーションであり,遺伝子改変のほか,繁殖・経代および遺伝子検査などにも応用されている.そして,マイクロマニピュレーションはマイクロマニピュレーター(MM)を用いて,受精卵へのDNA注入,胚への胚幹細胞の導入や胚の一部の採取などを行う技術である.

 われわれは従来マニュアルで行われてきたマイクロマニピュレーションの半自動化に成功し,遺伝子改変動物の作製や繁殖の困難な実験動物の再現について新たな開発に成功したので,その概略を解説する.さらに,本手法の生殖補助医療(ART)への応用についても考察する.

Obstetric News

骨粗鬆症(Ⅱ)―骨の生理学

著者: 武久徹

ページ範囲:P.1174 - P.1175

 骨は動的組織である.小児期と青年期に起こる骨の獲得は成人の骨量の90%を占める.女性の年少期の骨量のピークは主に遺伝的因子(60〜80%)に影響されるが,環境,健康,および生活様式などの各因子に妨害される可能性がある.骨の生育と骨のミネラル含有のほとんどは,身長がピークになる前後の2〜4年で達成される.身長がピークになる平均年齢は女性で11.8歳(±1.0年),男性で13.5歳(±1.0年)と報告されている.

 中流の白人男女を対象とした最近の研究では,骨量の最終ピークは女性で19歳,男性で20.5歳ごろに起こったと報告している.その時点以降は,骨ミネラル含有量に著しい増加は見られなかった.他の複数の研究でも,青年期後期に骨量のピークが起こったことが報告されている.

原著

術前に再発低リスクと予想される子宮体がん症例におけるリンパ節郭清術の省略に関する検討

著者: 江口聡子 ,   山口広平 ,   石坂彩 ,   神野雄一 ,   竹内真 ,   早田季美恵 ,   永井美和子 ,   後藤美希 ,   横尾郁子 ,   東梅久子 ,   有本貴英

ページ範囲:P.1177 - P.1181

▶要約

 子宮体がん手術におけるリンパ節郭清術の治療的意義は明確でなく,術前にリンパ節転移リスクが低いと予測される症例においてはリンパ節郭清術の省略が考慮される.リンパ節転移低リスク群の抽出システムはいまだ標準化されていないが,当院では術前評価で類内膜がんGrade 1かつ筋層浸潤1/2未満と予測される症例において,リンパ節郭清術を省略している.これらの53症例におけるclinical outcomeを解析し,子宮体がん手術におけるリンパ節郭清術省略の可否について検討した.組織型,筋層浸潤の術前評価の正診率はそれぞれ100%,94.3%と高かった.術前評価(組織型,筋層浸潤)に加えて,術中所見(肉眼での筋層浸潤,迅速腹腔細胞診)によってリンパ節郭清術の省略を決定することが妥当と考えられた.

臨床経験

当院における若年妊娠の現状

著者: 植田陽子 ,   重光愛子 ,   松浦美幸 ,   森岡佐知子 ,   佐々木高綱 ,   水田裕久 ,   山田嘉彦

ページ範囲:P.1183 - P.1187

▶要旨

 若年妊娠は社会的にも医学的にもハイリスクといわれている.今回は当院での若年分娩について検討した.

 2013年4月から2018年3月までに当院で分娩した総分娩数3,768症例のうち,妊娠時年齢が20歳未満の単胎70症例をY群とした.Y群と同日,前日,翌日に分娩した妊娠時年齢20〜35歳未満の単胎242症例をC群とした.2群間の母体の臨床的背景,母体の社会的背景,母体の周産期予後,児の周産期予後について後方視的に検討した.

 Y群において妊娠前喫煙や家庭内暴力,特定妊婦がC群と比して有意に多くみられた.就労,パートナーあり,分娩時入籍,パートナー就労はY群で有意に少なく,パートナー年齢はY群で有意に低かった.Y群で妊娠中貧血,妊娠中性感染症,切迫早産,吸引分娩が有意に多かった.

 若年妊娠は,社会的ハイリスクであることが再確認された.

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目次

ページ範囲:P.1086 - P.1087

読者アンケートのお願い

ページ範囲:P.1190 - P.1190

バックナンバー

ページ範囲:P.1191 - P.1191

次号予告・奥付

ページ範囲:P.1192 - P.1192

基本情報

臨床婦人科産科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1294

印刷版ISSN 0386-9865

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73巻10号(2019年10月発行)

今月の臨床 進化する子宮筋腫診療―診断から最新治療・合併症まで

73巻9号(2019年9月発行)

今月の臨床 産科危機的出血のベストマネジメント―知っておくべき最新の対応策

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73巻7号(2019年7月発行)

今月の臨床 卵巣刺激・排卵誘発のすべて―どんな症例に,どのように行うのか

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今月の臨床 多胎管理のここがポイント―TTTSとその周辺

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今月の臨床 糖代謝異常合併妊娠のベストマネジメント─成因から管理法,母児の予後まで

72巻9号(2018年9月発行)

今月の臨床 症例検討会で突っ込まれないための“実践的”婦人科画像の読み方

72巻8号(2018年8月発行)

今月の臨床 スペシャリストに聞く 産婦人科でのアレルギー対応法

72巻7号(2018年7月発行)

今月の臨床 完全マスター! 妊娠高血圧症候群─PIHからHDPへ

72巻6号(2018年6月発行)

今月の臨床 がん免疫療法の新展開─「知らない」ではすまない今のトレンド

72巻5号(2018年5月発行)

今月の臨床 精子・卵子保存法の現在─「産む」選択肢をあきらめないために

72巻4号(2018年4月発行)

増刊号 産婦人科外来パーフェクトガイド─いまのトレンドを逃さずチェック!

72巻3号(2018年4月発行)

今月の臨床 ここが知りたい! 早産の予知・予防の最前線

72巻2号(2018年3月発行)

今月の臨床 ホルモン補充療法ベストプラクティス─いつから始める? いつまで続ける? 何に注意する?

72巻1号(2018年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 産婦人科感染症の診断・管理─その秘訣とピットフォール

71巻12号(2017年12月発行)

今月の臨床 あなたと患者を守る! 産婦人科診療に必要な法律・訴訟の知識

71巻11号(2017年11月発行)

今月の臨床 遺伝子診療の最前線─着床前,胎児から婦人科がんまで

71巻10号(2017年10月発行)

今月の臨床 最新! 婦人科がん薬物療法─化学療法薬から分子標的薬・免疫療法薬まで

71巻9号(2017年9月発行)

今月の臨床 着床不全・流産をいかに防ぐか─PGS時代の不妊・不育症診療ストラテジー

71巻8号(2017年8月発行)

今月の臨床 「産婦人科診療ガイドライン─産科編 2017」の新規項目と改正点

71巻7号(2017年7月発行)

今月の臨床 若年女性のスポーツ障害へのトータルヘルスケア─こんなときどうする?

71巻6号(2017年6月発行)

今月の臨床 周産期メンタルヘルスケアの最前線─ハイリスク妊産婦管理加算を見据えた対応をめざして

71巻5号(2017年5月発行)

今月の臨床 万能幹細胞・幹細胞とゲノム編集─再生医療の進歩が医療を変える

71巻4号(2017年4月発行)

増刊号 産婦人科画像診断トレーニング─この所見をどう読むか?

71巻3号(2017年4月発行)

今月の臨床 婦人科がん低侵襲治療の現状と展望〈特別付録web動画〉

71巻2号(2017年3月発行)

今月の臨床 産科麻酔パーフェクトガイド

71巻1号(2017年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 性ステロイドホルモン研究の最前線と臨床応用

69巻12号(2015年12月発行)

今月の臨床 婦人科がん診療を支えるトータルマネジメント─各領域のエキスパートに聞く

69巻11号(2015年11月発行)

今月の臨床 婦人科腹腔鏡手術の進歩と“落とし穴”

69巻10号(2015年10月発行)

今月の臨床 婦人科疾患の妊娠・産褥期マネジメント

69巻9号(2015年9月発行)

今月の臨床 がん妊孕性温存治療の適応と注意点─腫瘍学と生殖医学の接点

69巻8号(2015年8月発行)

今月の臨床 体外受精治療の行方─問題点と将来展望

69巻7号(2015年7月発行)

今月の臨床 専攻医必読─基礎から学ぶ周産期超音波診断のポイント

69巻6号(2015年6月発行)

今月の臨床 産婦人科医必読─乳がん予防と検診Up to date

69巻5号(2015年5月発行)

今月の臨床 月経異常・不妊症の診断力を磨く

69巻4号(2015年4月発行)

増刊号 妊婦健診のすべて─週数別・大事なことを見逃さないためのチェックポイント

69巻3号(2015年4月発行)

今月の臨床 早産の予知・予防の新たな展開

69巻2号(2015年3月発行)

今月の臨床 総合診療における産婦人科医の役割─あらゆるライフステージにある女性へのヘルスケア

69巻1号(2015年1月発行)

今月の臨床 ゲノム時代の婦人科がん診療を展望する─がんの個性に応じたpersonalizationへの道

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