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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科74巻11号

2020年11月発行

文献概要

臨床経験

当院における若年妊娠の現状

著者: 植田陽子1 重光愛子1 松浦美幸1 森岡佐知子1 佐々木高綱1 水田裕久1 山田嘉彦1

所属機関: 1八尾市立病院産婦人科

ページ範囲:P.1183 - P.1187

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▶要旨

 若年妊娠は社会的にも医学的にもハイリスクといわれている.今回は当院での若年分娩について検討した.

 2013年4月から2018年3月までに当院で分娩した総分娩数3,768症例のうち,妊娠時年齢が20歳未満の単胎70症例をY群とした.Y群と同日,前日,翌日に分娩した妊娠時年齢20〜35歳未満の単胎242症例をC群とした.2群間の母体の臨床的背景,母体の社会的背景,母体の周産期予後,児の周産期予後について後方視的に検討した.

 Y群において妊娠前喫煙や家庭内暴力,特定妊婦がC群と比して有意に多くみられた.就労,パートナーあり,分娩時入籍,パートナー就労はY群で有意に少なく,パートナー年齢はY群で有意に低かった.Y群で妊娠中貧血,妊娠中性感染症,切迫早産,吸引分娩が有意に多かった.

 若年妊娠は,社会的ハイリスクであることが再確認された.

参考文献

1)厚生労働省:平成29年人口動態統計第4表,2018
2)日本産科婦人科学会,日本産婦人科医会(編・監):産婦人科ガイドライン―産科編 2017.p.118,日本産科婦人科学会事務局,2017
3)Kawakita T, Wilson K, Grantz KL, et al : Adverse maternal and neonatal outcomes in adolescent pregnancy. J Pediatr Adolesc Gynecol 29 : 130-136, 2016
4)大野原良昌,森山真亜子,木山智義,他 : 当院における若年妊娠の現状とその管理―産科医にできること―.鳥取医誌45 : 65-68, 2017
5)Lenders C, McElrath T, Scholl T : Nutrition in adolescent pregnancy. Curr Opin Pediatr 12 : 291-296, 2000
6)厚生労働省:子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第15次報告),2019
7)川瀬恵美里,野浪裕子,和田清恵,他 : A総合周産期母子医療センターにおけるエジンバラ産後うつ病自己評価票高得点の背景要因について.滋賀母性衛生会誌17/18 : 32-39, 2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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