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雑誌目次

雑誌文献

臨床婦人科産科74巻2号

2020年03月発行

雑誌目次

今月の臨床 はじめての情報検索―知りたいことの探し方・最新データの活かし方

著者:

ページ範囲:P.201 - P.201

情報検索のココがポイント!

一歩進んだPubMed検索

著者: 戸村裕菜 ,   野坂美恵子

ページ範囲:P.202 - P.208

●PubMed検索結果一覧画面左側のフィルターには,ガイドラインのみの絞り込みや,無料で全文入手可能な文献の絞り込みが簡単にできる機能がある.

●検索式・検索結果の保存から最新の文献情報の自動収集まで,My NCBIに登録するとPubMedがより便利になる.

●MeSHは同義語をまとめて検索してくれる便利なキーワードである.MeSHを使えば効率よく検索できる.

PubMed以外の文献収集法とその利点―Google Scholar, Web of Science, Scopusなど

著者: 早川智

ページ範囲:P.209 - P.214

●医学文献検索の基本はPubMedと医学中央雑誌だが,それがすべてではない.

●Google Scholar,Web of Science,Science Direct, J-Stageなども有用である.

●自分の専門分野は個人のライブラリーを持つことが望ましい.

医中誌を使いこなす

著者: 小林陽一

ページ範囲:P.215 - P.220

●医中誌にとにかく慣れることが大切.実際にアクセスしてみよう.

●検索欄に入力するキーワードは多過ぎず,少なすぎず.時には幅広く,時には絞って,工夫して検索を.

●検索結果が多過ぎたら絞り込み機能を大いに活用しよう.

UpToDate®やDynaMedTMなどの二次資料を使いこなす

著者: 田中顕道 ,   南郷栄秀

ページ範囲:P.221 - P.227

●情報検索は,良質な二次資料を用いて,とことん省力化し最短アプローチで行うのが肝要である.英語が苦手な人でも日本語翻訳を使うなどして,最先端のエビデンスを入手するべきである.

●どのような場合にどの二次資料に当たれば答えに辿りつけるかデータベースの特性を知り,普段から素早く必要な情報にアプローチできるようにしておくと便利である.

●二次資料に書いてある通りに行うのはEBMではない.①エビデンス,②患者の意向と行動,③患者の状況と周囲をとりまく環境,④医療者の臨床経験の4要素を勘案して,患者に質の高い診療を提供する.

遺伝病・遺伝子関係の情報収集法

著者: 佐藤泰輔 ,   佐村修

ページ範囲:P.229 - P.235

●近年,専門領域に限らず疾患・症候群の知識に加えて,その原因となる遺伝学的変化に関する知識の重要性が増している.

●解析技術の急速な革新により莫大になりつつある遺伝学的情報の収集を,効率的に行うためのツールとして,無料で使用できる有益な情報に溢れたさまざまなデータベースがある.

●データベースの特徴を知ったうえで,実際に自分で動かしてみることで,苦手意識からくる抵抗感を払拭し,より馴染みやすい形で遺伝診療への扉を開くことができる.

医学分野以外のデータベース検索―新聞・雑誌記事,判例

著者: 園原麻里

ページ範囲:P.236 - P.241

●新聞や雑誌記事などを網羅的に探せるデータベースは,公共図書館にも普及しており,一般市民にとってより身近な存在となっている.

●データベースの基本的な仕組みは類似している.一般ユーザー向けに開発されているので,比較的容易に情報にたどり着くことができると思われる.

●判例を探すには,キーワード以外に事件番号や裁判日が手がかりになる.裁判日は新聞記事や診療ガイドラインなど身近な情報源から探せることが多い.

ガイドラインからどのように情報を読み取るか

ガイドラインの使い方 : 婦人科腫瘍分野(治療ガイドライン)

著者: 三上幹男

ページ範囲:P.242 - P.247

●薬物療法のエビデンスと手術療法が介入したエビデンスの違いは何か?

●手術の技量の違い―医師間・施設間,Clinical Expertise(医師の熟練・専門性)を理解しなければならない.

●後方視的研究(Biasの多い実態調査)と前向き臨床試験(一定条件での真実の解明)の違い,Publication Biasとは何か?

ガイドラインの使い方 : 生殖内分泌分野(生殖医療必修知識2017年版)

著者: 伴田美佳 ,   瀧内剛 ,   木村正

ページ範囲:P.248 - P.252

●ガイドラインはあくまで「推奨」であり,診療現場において診療方針を立てていく「出発点」に過ぎず,診療を縛るものではないことに留意する必要がある.

●「生殖医療必修知識2017年版」は本邦の実情に即して記載されており有用だが,同時に欧米のガイドラインを参照し,最新の知見を別途収集することも推奨される.

ガイドラインの使い方 : 周産期分野(診療ガイドライン産科編)

著者: 板倉敦夫

ページ範囲:P.253 - P.258

●本ガイドラインの目的は「現時点でコンセンサスが得られた適正な標準的産科診断・管理法を示すこと」である.

●情報を読み取るには,CQに対する推奨要約の根拠となる解説を読むことが必要である.

●さらに深く読み取るには,文献にある論文を読み,その背景も含めてエビデンスを評価することが必要である.

ガイドラインの使い方 : 女性医学分野(HRTガイドライン)

著者: 岡野浩哉

ページ範囲:P.259 - P.267

●他の疾患単位のガイドラインと異なり,HRTガイドラインは一治療法に関する特異な存在で,作成・企画の経緯とHRTの歴史的な認識が重要となる.

●総論編は教科書的な内容となっているが,エビデンスをもとにリスクとベネフィットの評価をできるように構成されている.

●CQ編は実診療上の疑問点に答えるため構成した.必ずしもレベルの高いエビデンスが存在しないのも,実臨床に即した結果である.

EBMと臨床への応用

Cochrane libraryと産婦人科臨床への応用

著者: 竹元葉 ,   大田えりか

ページ範囲:P.268 - P.273

●コクランは,産婦人科医のIain Chalmersの主導のもと1992年に設立された国際的な非営利組織である.

●コクランの手法は,系統的レビューを実施するうえでの標準的手法であり,臨床上の意思決定はもちろん,世界保健機関および各国の医療政策に影響を与えている.

●コクランレビューの日本語の平易な要約を見たい場合はコクランのホームページ(https://www.cochrane.org/)にアクセスし,上部の“English”という言語を“日本語”に変更し検索するとよい.

EBMを超えて―診療ガイドラインの動向や新しい潮流(GRADE)を中心として

著者: 相原守夫

ページ範囲:P.275 - P.283

●診療ガイドラインのためのエビデンス検索は,EBM情報源ピラミッドを活用し,「サマリーやガイドライン>事前評価済み研究>非事前評価研究の順」とすることが効率的である.

●信頼できるガイドラインを作成するためには,GRADE-ADOLOPMENTに準じて,既存の推奨の採用(adoption),適用(adaptation),新規開発(de novo creation)のいずれかを利用することが迅速かつ効率的である.

●ROBINS-IとRoB 2.0は論理的に共通の項目を使っているため,2種類のエビデンス(RCTとNRS)に対処する際に,これらのバイアスのリスクツールを使って評価された場合,可能であれば両者を統合できる.

●推奨を支持するエビデンス情報源はその最新性が重要であり,リビング推奨(living recommendation)のためには,リビングシステマティックレビュー(living systematic review)の更新アプローチが重要である.

情報の海原:私の航海術

ブログを利用した情報収集,整理,活用術

著者: 松林秀彦

ページ範囲:P.284 - P.289

●医学では知識のアップデートが欠かせないため,たくさんの論文を読む必要がありますが,人間の記憶力には限界があります.

●情報過多の現代では,情報収集よりも情報整理と情報活用が重要です.

●ブログを利用した情報収集,整理,活用術は,検索能力に優れており,無料で利用可能なため,現在のところ最も理想的な方法と考えます.

連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール

子宮内膜細胞診陰性で子宮鏡下切除術後に明らかになった若年子宮体がんの2症例

著者: 橋本奈美子

ページ範囲:P.290 - P.296

症例1
▶患者

 41歳,G0,157cm,45kg,BMI 18.2.
▶主訴

 月経困難.
▶既往歴

 X−3年2月,腸管内膜症による腸閉塞のため回盲部切除(開腹).

Obstetric News

子宮内避妊装置(ミレーナ)―卵巣癌と子宮内膜癌減少(ノルウェーの研究)

著者: 武久徹

ページ範囲:P.302 - P.303

ノルウェーにおける卵巣癌の研究(NOWAC)

 2012年の統計では,世界中で約152,000人が卵巣癌によって死亡している.ノルウェーにおける75歳までの卵巣癌累積リスクは1.3%で米国と同じである.卵巣癌は症状がはっきりしておらず,スクリーニング試験もないため,診断の遅れに繋がり,ノルウェーでの5年生存率は50%未満である.その結果,卵巣癌はノルウェー女性において癌の罹患率は8位であるが,癌死亡率では5位である.卵巣癌リスクは経口避妊薬(OCs)の使用5年間ごとに15〜29%減少し,世界的に,OCs使用で毎年推定30,000例の卵巣癌を予防しているといえる.長期間のOCs使用は子宮内膜癌リスクも減少(5〜9年間使用で34%減少)させる.

 しかし,OCs使用が10年間を超えた場合,OCs使用中止後最低5年間は,乳癌のリスクは最高38%増加する.そのため,避妊を必要としない女性に卵巣癌を予防する目的でのOCs処方は勧められていない.

症例

小細胞神経内分泌癌と胃型粘液性癌が合併した混合型子宮頸癌の1例

著者: 尾谷功 ,   矢本希夫 ,   松川仁登美 ,   小林智子 ,   竹中由夏 ,   谷本敏

ページ範囲:P.297 - P.301

▶要約

 子宮頸部原発の小細胞神経内分泌癌は,本邦では子宮頸がん全体の1.6%に過ぎない稀な疾患である.2017年度の子宮頸癌取扱い規約 病理編の改定により,従来の小細胞癌は小細胞神経内分泌癌に相当すると考えられる.今回,小細胞神経内分泌癌と悪性度の高い粘液性癌である胃型粘液性癌が合併した混合型子宮頸癌の1例を経験した.

 症例は46歳,女性,2妊2産.2週間前から持続する不正性器出血にて当科初診.子宮頸部にカリフラワー状の腫瘤性病変を認め,生検にて粘液性癌の診断.内診,画像,病理所見より子宮頸癌1B1期の診断にて手術療法施行となった.術後病理組織と免疫組織化学により,小細胞神経内分泌癌と胃型粘液性癌が合併した非常に稀な子宮頸癌の診断に至った.術後追加治療として同時化学放射線療法を施行.術後3年経過の現在,明らかな再発は認めていない.

 今回,本邦さらに海外でも報告のないきわめて稀な混合型子宮頸癌を経験したので文献的考察を加えて報告する.

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目次

ページ範囲:P.198 - P.199

次号予告・奥付

ページ範囲:P.304 - P.304

基本情報

臨床婦人科産科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1294

印刷版ISSN 0386-9865

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今月の臨床 精子・卵子保存法の現在─「産む」選択肢をあきらめないために

72巻4号(2018年4月発行)

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今月の臨床 婦人科疾患の妊娠・産褥期マネジメント

69巻9号(2015年9月発行)

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69巻8号(2015年8月発行)

今月の臨床 体外受精治療の行方─問題点と将来展望

69巻7号(2015年7月発行)

今月の臨床 専攻医必読─基礎から学ぶ周産期超音波診断のポイント

69巻6号(2015年6月発行)

今月の臨床 産婦人科医必読─乳がん予防と検診Up to date

69巻5号(2015年5月発行)

今月の臨床 月経異常・不妊症の診断力を磨く

69巻4号(2015年4月発行)

増刊号 妊婦健診のすべて─週数別・大事なことを見逃さないためのチェックポイント

69巻3号(2015年4月発行)

今月の臨床 早産の予知・予防の新たな展開

69巻2号(2015年3月発行)

今月の臨床 総合診療における産婦人科医の役割─あらゆるライフステージにある女性へのヘルスケア

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今月の臨床 ゲノム時代の婦人科がん診療を展望する─がんの個性に応じたpersonalizationへの道

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