icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科74巻6号

2020年06月発行

症例

腹腔鏡下に根治術を完遂し得たS状結腸子宮瘻の1例

著者: 伊東史学1 向川智英2 橋口康弘1 細川奈月1 杉浦敦1 谷口真紀子1 佐道俊幸1 喜多恒和1

所属機関: 1奈良県総合医療センター産婦人科 2奈良県総合医療センター消化器・肝臓・胆のう・膵臓外科

ページ範囲:P.631 - P.634

文献概要

▶要約

 S状結腸子宮瘻は,結腸憩室炎を契機にS状結腸壁が子宮と癒着し,慢性的な炎症の結果瘻孔を形成すると考えられ,高齢者に多い1).根治的治療として,子宮摘出ならびに結腸の合併切除術が必要となるが,今回腹腔鏡下に手術を施行し得た.子宮とS状結腸は剝離しないまま合併切除し,子宮下部側は大腸用自動縫合器で切断することで,便汁の腹腔内漏出を避けることができた.近年,腹腔鏡下手術は急速に広まっているが,子宮と結腸の合併切除を行う機会は少なく,本症例のような高齢者に多い疾患には低侵襲に行うことが可能と考えられた.

参考文献

1)関根 理,山本 宏,篠原浩一 : 結腸憩室炎に起因したS状結腸子宮瘻の1例.自治医大紀29 : 201-207, 2006
2)Colcock BP,Stahmann FD : Fistulas complicating diverticular disease of the sigmoid colon. Ann Surg 175 : 838-846, 1972
3)石黒信彦,小坂健夫,上野桂一,他 : 結腸子宮瘻を合併した結腸憩室症.外科診療23 : 503-506, 1981
4)西 敏夫,大島 聡,川崎勝弘,他 : 結腸憩室炎に起因したS状結腸子宮瘻の1例.日臨外会誌58 : 156-159, 1997
5)古川祐介,中山伸一,河田光弘,他 : 憩室炎に起因したS状結腸子宮瘻の1例.日消外会誌35 : 209-213, 2002
6)福枝幹雄,牧尾善幸,渋谷 寛,他 : S状結腸憩室賞に起因した結腸子宮瘻の2例.日臨外会誌68 : 1202-1205, 2007
7)大野吏輝,發知将規,長橋美弥,他 : 腹腔鏡下に子宮合併S状結腸切除を施行した結腸憩室炎に伴う結腸子宮瘻の1例.日鏡外会誌21 : 221-227, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら