文献詳細
症例
腹腔鏡下に根治術を完遂し得たS状結腸子宮瘻の1例
著者: 伊東史学1 向川智英2 橋口康弘1 細川奈月1 杉浦敦1 谷口真紀子1 佐道俊幸1 喜多恒和1
所属機関: 1奈良県総合医療センター産婦人科 2奈良県総合医療センター消化器・肝臓・胆のう・膵臓外科
ページ範囲:P.631 - P.634
文献概要
S状結腸子宮瘻は,結腸憩室炎を契機にS状結腸壁が子宮と癒着し,慢性的な炎症の結果瘻孔を形成すると考えられ,高齢者に多い1).根治的治療として,子宮摘出ならびに結腸の合併切除術が必要となるが,今回腹腔鏡下に手術を施行し得た.子宮とS状結腸は剝離しないまま合併切除し,子宮下部側は大腸用自動縫合器で切断することで,便汁の腹腔内漏出を避けることができた.近年,腹腔鏡下手術は急速に広まっているが,子宮と結腸の合併切除を行う機会は少なく,本症例のような高齢者に多い疾患には低侵襲に行うことが可能と考えられた.
参考文献
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