icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科74巻9号

2020年09月発行

文献概要

今月の臨床 産婦人科医に最低限必要な正期産新生児管理の最新知識(Ⅱ)―母体合併症の影響は? 新生児スクリーニングはどうする? 母体合併症

母体サイトメガロウイルス陽性児の取り扱い

著者: 森岡一朗1 山田秀人2

所属機関: 1日本大学医学部小児科学系小児科学分野 2神戸大学大学院医学研究科産科婦人科学分野

ページ範囲:P.891 - P.897

文献購入ページに移動
●CMV抗体の陰性妊婦だけでなく,CMV抗体陽性妊婦であっても,先天性CMV感染児の発症のリスクがある.

●母体のCMV IgGアビディティ検査による先天性CMV感染児の予知効率はCMV IgM抗体検査と変わらず,どちらも限界がある.

●先天性CMV感染の確定診断は,生後3週間以内の新生児尿でのCMV核酸検出法によって行う.

●新生児聴覚スクリーニングで要再検(リファー)になる新生児のなかに,先天性CMV感染児が含まれている.

参考文献

1)日本医療研究開発機構(AMED)母子感染の予防と診療に関する研究班 : サイトメガロウイルス妊娠管理マニュアル.http://cmvtoxo.umin.jp/doc/manual_20181022.pdf(2020年4月29日にアクセス)
2)Nagano N, et al : Congenital cytomegalovirus infection : epidemiology, prediction, diagnosis, and emerging treatment options for symptomatic infants. Expert Opin Orphan Drugs 8 : 1-9, 2020
3)山田秀人 : 新たな妊婦と新生児のCMVスクリーニング方法.http://www.med.kobe-u.ac.jp/cmv/new_results.html#top7(2020年4月29日にアクセス)
4)「症候性先天性CMV感染児」に対する抗ウイルス薬の臨床試験が始まります.https://cmv-chiken.jp(2020年4月29日にアクセス)
5)Morioka I, et al : Efficacy and safety of valganciclovir in patients with symptomatic congenital cytomegalovirus disease : Study Protocol Clinical Trial(SPIRIT Compliant). Medicine 99 : e19765, 2020
6)Tanimura K, et al : Universal screening with use of IgG avidity for congenital cytomegalovirus infection. Clin Infect Dis 65 : 1652-1658, 2017
7)日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会 : 先天性サイトメガロウイルス感染の確定診断のための生後3週間以内の新生児尿を用いたCMV核酸検査が保険適用になりました(修正版).https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/CMV_Sindan_201912.pdf(2020年4月29日にアクセス)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?