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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科74巻9号

2020年09月発行

今月の臨床 産婦人科医に最低限必要な正期産新生児管理の最新知識(Ⅱ)―母体合併症の影響は? 新生児スクリーニングはどうする?

新生児スクリーニング

その他の先天代謝異常スクリーニング

著者: 澤田貴彰1 中村公俊1

所属機関: 1熊本大学大学院生命科学研究部小児科学講座

ページ範囲:P.928 - P.935

文献概要

●産科医療施設で作成された乾燥濾紙血は,検査施設で検体記載情報と採血状態などの確認を受けたあとに検査される.現在はタンデムマス法により,20種類以上の疾患の測定項目を一度に測定することができる.

●タンデムマス法では9,000人に1人の割合で患者が見つかるとされている.再採血対象児10人のうち1人は要精密検査に,また要精密検査対象児の5人のうち1人は実際の患者であると推測されている.

●再採血の場合は,再検査結果が出るまで,発熱や極端な哺乳不良がない限り,児に対しては通常の対応でよいが,要精密検査の場合は,なるべく早く指定医療機関を受診することが望ましい.

参考文献

1)Guthrie R, et al : A simple phenylalanine method for detecting phenylketonuria in large populations of newborn infants. Pediatrics 32 : 338-343, 1963
2)田崎隆二 : 新生児マススクリーニング.化血研所報黎明23 : 1-28, 2014
3)タンデムマス・スクリーニング普及協会.https://tandem-ms.or.jp/
4)厚生労働省子ども家庭局母子保健課 : 先天代謝異常等検査実施状況(平成29年度).特殊ミルク情報54 : 67-70, 2018
5)日本先天代謝異常学会(編) : 新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン2019.診断と治療社,2019
6)Sawada T, et al : Newborn screening for Fabry disease in the western region of Japan. Mol Genet Metab Rep 22 : 100562, 2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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