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合併増大号 今月の臨床 生殖医療の基礎知識アップデート―患者説明に役立つ最新エビデンス・最新データ
扉
著者: 髙橋俊文1
所属機関: 1福島県立医科大学ふくしま子ども・女性医療支援センター
ページ範囲:P.5 - P.5
文献購入ページに移動 患者のヘルスリテラシー(医療情報へのアクセス)の向上により,患者の入手した情報と医療者の専門的な知識との間で齟齬が生じる場面が多く見られるようになっている.社会的な背景により女性の出産年齢が上昇し,その影響により不妊症・不育症患者が増加している.不妊症・不育症患者の増加により,生殖医療を専門としない“かかりつけ医”である産婦人科医師も,生殖医療に対する知識が求められている.しかし,生殖医療の進歩は産婦人科診療に中でも最も著しい分野であり,知識のアップデートを行う事は容易ではない.一方,患者サイドでは,インターネットを通じて,不妊症・不育症に関する情報の入手が容易になってきている.そのため,医師の説明がエビデンスに基づかないまたは不十分であると,患者は医療サイドに不信感を抱き,患者―医療者の良好な関係は構築できない.
不妊症・不育症患者の治療に関する意思決定には,エビデンスに基づいた患者へのわかりやすい説明が重要である.医師は意思決定支援として“具体的な数字”を示して治療内容に関する説明を行うことが必要である.健康や医療の文脈において数量情報を理解し,意味づけ,活用する能力は“ヘルスニューメラシー(health numeracy)”と呼ばれている.検査結果の解釈や治療効率などに関して,具体的な数字を示して患者にわかりやすく説明する能力(ヘルスニューメラシーを用いたコミュニケーションスキル)は,今後の生殖医療従事者には必須である.
不妊症・不育症患者の治療に関する意思決定には,エビデンスに基づいた患者へのわかりやすい説明が重要である.医師は意思決定支援として“具体的な数字”を示して治療内容に関する説明を行うことが必要である.健康や医療の文脈において数量情報を理解し,意味づけ,活用する能力は“ヘルスニューメラシー(health numeracy)”と呼ばれている.検査結果の解釈や治療効率などに関して,具体的な数字を示して患者にわかりやすく説明する能力(ヘルスニューメラシーを用いたコミュニケーションスキル)は,今後の生殖医療従事者には必須である.
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