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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科75巻2号

2021年03月発行

今月の臨床 妊娠・分娩時の薬物治療―最新の使い方は? 留意点は?

フェインジェクト®―静注鉄製剤の基本投与法と使いどころ

著者: 藤井知行12

所属機関: 1山王病院 2国際医療福祉大学大学院

ページ範囲:P.238 - P.244

文献概要

●生体内での鉄の吸収および排泄はわずかであり,外部環境に影響されることなく体内でリサイクルして使用されている.このように,鉄代謝は生体内で半閉鎖的回路を構築している.

●鉄欠乏性貧血から回復する時は,初めにヘモグロビンが上昇して,最後にフェリチンが上昇する.フェリチンをしっかり増加させるまで治療することが重要である.

●フェインジェクト®は,高用量の鉄を一度に投与できるため,注射回数を減らし,患者の負担を軽減するメリットがある.一方,過量投与による鉄過剰を起こす可能性があるため,総投与量,投与回数に注意する.

参考文献

1)PMDA「フェインジェクト静注500mg審査報告書」 https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/
2)日本鉄バイオサイエンス学会治療指針作成委員会(編) : 鉄剤の適正使用による貧血治療指針,改訂[第3版],p11,響文社,2015
3)日本鉄バイオサイエンス学会 治療指針作成委員会(編) : 鉄剤の適正使用による貧血治療指針改訂[第3版].p22,響文社,2015
4)Bergmann RL, et al : Prevalence and risk factors for early postpartum anemia. Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol 150 : 126-131, 2010
5)Corwin EJ, et al : Low hemoglobin level is a risk factor for postpartum depression. J Nutr 133 : 4139-4142, 2003
6)Horie S, et al : A relationship between a level of hemoglobin after delivery and exclusive breastfeeding initiation at a baby friendly hospital in Japan. Environ Health Prev Med 22 : 40, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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