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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科75巻2号

2021年03月発行

連載 Obstetric News

骨粗鬆症(Ⅲ)診断③治療すべき患者の選択―国際内分泌学会,米国内科医師会

著者: 武久徹1

所属機関: 1武久レディースクリニック

ページ範囲:P.278 - P.279

文献概要

閉経後女性の骨粗鬆症〜臨床医療ガイドライン(国際内分泌学会)

■誰を治療するか?

 現在,骨粗鬆症診断においては,各国がT-スコアやFRAX®をはじめとしたさまざまな評価ツールに基づいて,おのおのの治療開始基準を定めている.現在,36か国で52の国家ガイドラインがあり,オーストリア,ベルギー,インド,ブラジルなどはT-スコアに基づく閾値を使用しているが,米国,カナダ,英国などのガイドラインでは骨折リスク閾値を使用している.52のガイドラインのうち30は,FRAX®に基づく10年間の絶対骨折リスクを治療閾値に含んでいる.これらのガイドラインのいくつか(例 : 米国とカナダ)は経年変化する骨折リスク閾値を固定しているが,他のガイドライン(例 : イギリス,レバノン,チリ)は,ある年齢層群に対する年齢に依存した介入閾値と,他の年齢層群に対する骨折リスク閾値を使用する混成モデルである.

 米国においては,股関節骨折または椎体骨折がある閉経後女性に対して薬物治療が勧められている.具体的には大腿骨頸部,股関節,または腰椎におけるT-スコアが−2.5以下であり,また,米国で採用されたFRAX®ツールにおいてT-スコアが−1〜−2.5で,10年での主要骨粗鬆症性骨折の可能性が20%以上,股関節骨折で3%以上であるものが対象とされる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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