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雑誌目次

雑誌文献

臨床婦人科産科75巻3号

2021年04月発行

雑誌目次

今月の臨床 女性のライフステージごとのホルモン療法―この1冊ですべてを網羅する

女性のライフステージごとのホルモン療法の活用の仕方

著者: 倉智博久

ページ範囲:P.302 - P.309

《ポイント1》

●「ホルモン療法の活用」で重要なことは,生殖内分泌の理解である.

●女性の生殖機能の特徴は,生涯を通しても,月経周期のなかでも女性ホルモンの変動が大きいことである.

《ポイント2》

●血栓症はすべてのエストロゲン製剤の最も重要な有害事象である.

●患者のリスク因子(既往・家族歴,肥満度,年齢)を考慮する.

●経皮投与では血栓症のリスクは低い.

《ポイント3》

●プレマリン0.625mgに相当する各種E2の力価は,①E2(経口)1mg,②E2(経皮)0.05mg(放出量),③EE 5μgである5)

《ポイント4》

●MHTは原則的には生活習慣病の予防・治療の適応はない.

●POIでは閉経年齢までのMHTは必須である.

●婦人科医も一般的な降圧薬,脂質異常症治療薬,血糖降下薬などを使いこなすべきである.

月経異常・不妊

思春期早発症・思春期遅発症

著者: 生水真紀夫

ページ範囲:P.310 - P.318

●思春期発来の時期は広い分布を示し,正常と異常との境界は連続している.

●思春期早発症は特発性が多く,妊孕性は保たれる.

●初経遅延には,自然の初経発来が期待できるものと期待できないものとがある.

●エストロゲンの投与にあたり最終身長に配慮する.

不妊治療での内膜の調整周期

著者: 山下能毅 ,   大道正英

ページ範囲:P.320 - P.325

●凍結融解胚移植を行う場合は,ホルモン補充周期で行われることが多い.

●自然周期移植とホルモン補充周期の臨床成績はほぼ同等である.

●反復不成功症例には,内膜スクラッチや子宮内膜受容能検査(ERA)も考慮する.

若年者の月経異常とPCOS

著者: 髙橋俊文 ,   鈴木大輔 ,   太田邦明

ページ範囲:P.326 - P.331

●思春期女子における月経異常の原因として,多囊胞性卵巣症候群(PCOS)がある.

●成人女性と同様に,治療の原則は肥満を認める場合は減量指導が第1選択であるが,排卵周期の回復しない症例では,子宮内膜保護の目的でホルモン療法が必要となる.

●思春期女子のPCOS症例では原発性無月経を主訴に受診する症例もあるため,原発性無月経の鑑別診断が必要となる.

機能性月経困難症

著者: 河北貴子 ,   安井敏之 ,   岩佐武

ページ範囲:P.332 - P.338

●機能性月経困難症は若年者に多い.治療として,NSAIDs以外にホルモン治療が考慮される.

●OC/LEP製剤では,月経数減少,疼痛改善の目的からフレキシブル投与・連続投与が主流になってきているが,投与については十分な説明が必要である.

●近年のホルモン治療では,月経困難症を保険適応症とする製剤が数種類あるが,それぞれにメリット・デメリットがあり,患者年齢や背景,症状に応じて使い分ける必要がある.

子宮内膜症

著者: 森泰輔

ページ範囲:P.339 - P.345

●子宮内膜症の主な治療対象は,疼痛,不妊,卵巣子宮内膜症性囊胞に大別されるが,このうち2項目以上を有しているケースも多くみられる.

●子宮内膜症に関連する疼痛に対しては,NSAIDsなどによる対症療法やOC/LEP,プロゲスチン製剤,GnRHアゴニストなどによるホルモン療法が選択される.

●それぞれの症状に応じて,ホルモン療法,手術療法,不妊治療,あるいは経過観察から患者個々に適した治療方針を立案すべきである.

子宮腺筋症

著者: 北原慈和 ,   岩瀬明

ページ範囲:P.346 - P.350

●子宮腺筋症は,エストロゲン依存性疾患である.そのため,生殖可能年齢にある女性では,何らかの治療を行わないと子宮腺筋症の病変は増悪の一途を辿る.

●子宮腺筋症における主な症状は,①月経困難症,②過多月経・過長月経などの月経異常,③不妊症,などである.薬物療法を行う際は,どの症状をターゲットとするかを患者と相談をしながら決定することが重要である.

●子宮腺筋症の好発年齢は,30歳台後半からとされている.しかし,若年性囊胞性腺筋症という稀な疾患もあるため,注意を要する.

子宮筋腫

著者: 眞田裕子 ,   甲賀かをり

ページ範囲:P.352 - P.357

●過多月経,貧血,月経困難症,腹痛,腹部腫瘤感,不妊などの症状を有する子宮筋腫に対しては治療を考慮する.

●閉経前の「逃げ込み療法」や手術前処置に,GnRHアナログ製剤を用いる.

●過多月経の改善のためには,エストロゲン・プロゲスチン配合薬やレボノルゲストレル放出子宮内システムを用いる.

腫瘍

各世代における子宮内膜増殖症―10代,生殖可能年齢,閉経周辺期,閉経後に分けて

著者: 田中良道

ページ範囲:P.358 - P.362

●子宮内膜増殖症は過剰なエストロゲン刺激によって生じる変化であり,異型を伴わない子宮内膜増殖症と異型を伴う子宮内膜異型増殖症に分類される.

●子宮内膜増殖症の約1〜3%,子宮内膜異型増殖症の約30%は子宮内膜がんへ進展するといわれる.

●子宮内膜増殖症は幅広い年代でみられ,その管理においては自然経過観察からホルモン療法,手術療法まで多岐にわたる.

子宮体がん

著者: 太田剛

ページ範囲:P.363 - P.368

●子宮体がんの黄体ホルモン療法の適応は,妊孕性温存希望がある類内膜癌G1相当の患者とエストロゲン受容体・プロゲステロン受容体陽性の進行・再発がんの患者である.

●妊孕性温存療法としての黄体ホルモン療法では,メトホルミンやLNG-IUSの併用投与も行われる.

●進行・再発がんに対するホルモン療法としては,黄体ホルモン療法のほかにアロマターゼ阻害薬や選択的ER調整薬などがある.

外科的閉経

著者: 佐々木浩

ページ範囲:P.369 - P.375

●外科的閉経は骨粗鬆症,脂質異常症,心血管リスクの発症リスクが増加するだけでなく死亡リスクも上昇することから,特に45歳未満での外科的閉経患者に対しては積極的にホルモン補充療法(HRT)を行うべきである.

●婦人科悪性腫瘍治療により外科的閉経をきたした場合はがん治療後管理だけでなくHRTを含めた術後のトータルヘルスケアが重要である.

●子宮内膜症治療後の外科的閉経ではHRTによる内膜症再発リスクを伴うこともあり,内膜症の状態,子宮の有無,閉経年齢,症状などを勘案しHRTを施行するかを検討する.

更年期・老年期

更年期障害

著者: 高橋一広

ページ範囲:P.376 - P.382

●更年期障害の最も有効な治療法はホルモン補充療法である.

●初回肝臓通過効果を避けるためエストロゲンは経皮投与が望ましい.

●更年期のうつ症状にはHRTよりもSSRIを投与する.

骨粗鬆症

著者: 寺内公一

ページ範囲:P.384 - P.390

●検診あるいは脆弱性骨折発症を契機して診断に至った高齢者の骨粗鬆症に対しては,閉経期ホルモン療法は第一選択とならない.

●骨折リスクが高い骨粗鬆症例に対しては,ビスホスホネート薬をはじめ多種の治療薬があるため,閉経期ホルモン療法は第一選択とならない.

●更年期障害合併例や早発卵巣不全例など,エストロゲン投与が他の面からも必要な若年の骨粗鬆症例に対して,閉経期ホルモン療法は第一選択となる.

連載 Obstetric News

骨粗鬆症(Ⅳ)―予防

著者: 武久徹

ページ範囲:P.391 - P.393

 骨粗鬆症は骨量消失,微小構造の低下(悪化),および骨質の低下が特徴の骨格となる障害である.これらのすべてが最終的に骨折に至る骨の脆弱性に繋がる.骨粗鬆症がある女性は,骨粗鬆症ではない同年代女性よりも脆弱性骨折に至る可能性が多くなる.

 年齢は,骨質に関連する最も重要な因子であるが,この年齢に関連する骨質低下の正確な機序はまったく不明である.股関節骨折率には人種と民族間で広範な変動があり,股関節骨折率は,白人女性で最高で,アフリカ系米国人女性で最低である.

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目次

ページ範囲:P.298 - P.299

読者アンケートのお願い

ページ範囲:P.394 - P.394

バックナンバー

ページ範囲:P.395 - P.395

次号予告・奥付

ページ範囲:P.396 - P.396

基本情報

臨床婦人科産科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1294

印刷版ISSN 0386-9865

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69巻7号(2015年7月発行)

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69巻6号(2015年6月発行)

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69巻5号(2015年5月発行)

今月の臨床 月経異常・不妊症の診断力を磨く

69巻4号(2015年4月発行)

増刊号 妊婦健診のすべて─週数別・大事なことを見逃さないためのチェックポイント

69巻3号(2015年4月発行)

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