臨床婦人科産科75巻4号

2021年04月発行

増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために

周産期 妊娠初期

異所性妊娠手術を行うにあたっての患者説明

著者： 霞澤匠¹ 高村将司¹

所属機関： ¹埼玉医科大学病院産婦人科

ページ範囲：P.12 - P.16

文献概要

必ず説明しておくべきこと

◆手術の目的は，診断をつけること（妊娠部位を特定すること）と治療を行うことである．

◆術中に妊娠部位が特定できないことがある．

◆手術以外の方法として抗がん剤による薬物療法の選択肢があるが，満たすべき適応要件があるため，全例で選択できるわけではない．

◆腹腔鏡下に手術が完遂する場合が多いが，さまざまな状況で開腹移行が必要な場合もある．

◆卵管が好発部位であり，卵管の場合は卵管切除が基本術式となる．卵管温存手術を行う施設もあるが，存続絨毛症や再発などのさまざまなリスクが伴う術式であることを理解する必要がある．稀な妊娠部位の場合は，その臓器の合併切除が必要となる場合がある．

参考文献

1）難波　聡，他 : 臨婦産72 : 192-195, 2018

2）可世木華子，他 : 周産期医49 : 1442-1447, 2019

3）小谷泰史，他 : 産と婦87 : 783-787, 2020

4）Mol F, et al : Lancet 383 : 1483-1489, 2014

5）Cheng X, et al : PLoS One 11 : e0152343, 2016