臨床婦人科産科75巻4号

2021年04月発行

増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために

周産期 妊娠中の産科処置

RDS予防のためにリンデロン^®を投与するにあたっての患者説明

著者： 田中幹二¹

所属機関： ¹弘前大学医学部附属病院周産母子センター

ページ範囲：P.68 - P.71

文献概要

必ず説明しておくべきこと

◆早産児の合併症には呼吸窮迫症候群，脳室内出血，壊死性腸炎，未熟児網膜症などがある．

◆早産リスクが高い妊婦に対しリンデロン^®を投与することで，上述の合併症を減少させられる可能性がある．

◆母体副作用として白血球数や血小板数の増加，血糖値上昇などが報告されているが，胎児への悪影響はほとんどない．

参考文献

1）日本産科婦人科学会，日本産婦人科医会（編） : 産婦人科診療ガイドライン―産科編 2020．CQ302　切迫早産の診断と管理の注意点は？　pp136-141，日本産科婦人科学会，2020

2）Committee Opinion : Obstet Gynecol 130 : e102-e109, 2017

3）ACOG Committee Opinion : Obstet Gynecol 117 : 422-424, 2011

4）Gyamfi-Bannerman C, et al : N Engl J Med 374 : 1311-1320, 2016

5）Boutin A, et al : J Obstet Gynaecol Can 40 : 1193-1197, 2018

6）Crowther CA, et al : PLoS Med 16 : e1002771, 2019

7）Melamed N, et al : BMJ open 9 : e031197, 2019