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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科75巻4号

2021年04月発行

文献概要

増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために 周産期

Q8 子宮筋腫があると言われました.妊娠・出産に影響がありますか?

著者: 中西沙由理1 青木茂1

所属機関: 1横浜市立大学附属市民総合医療センター総合周産期母子医療センター

ページ範囲:P.120 - P.121

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A8

 子宮のなかの形を変形させているような子宮筋腫があり,それ以外に不妊症の原因がない場合には,妊娠のために子宮筋腫核出術を考慮することがあります.子宮筋腫核出術後の分娩は,子宮筋腫の手術の内容によって帝王切開の分娩が望ましい場合があります.

 子宮筋腫があっても,合併症を起こさず分娩される方もいらっしゃいますが,子宮筋腫のない方に比べると妊娠・出産で合併症が起こるリスクは約2〜4倍と報告されています.切迫流早産・前期破水,赤ちゃんの胎位の異常,前置胎盤,常位胎盤早期剝離,胎児子宮内発育遅延などの合併症に注意が必要です.また,お産の際にも,陣痛異常や分娩停止,帝王切開,分娩後の異常出血などのリスクが高まります.妊娠中に子宮筋腫の位置や大きさ・個数,胎盤との位置関係を把握しておくことが重要です.

参考文献

1)日本産科婦人科学会,日本産婦人科医会(編) : CQ216 妊孕性温存の希望・必要がある場合の子宮筋腫の取り扱いは? ―子宮鏡下や腟式の筋腫摘出術だけで対応できる症例を除く.産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2020.pp66-67,日本産科婦人科学会,2020
2)日本産科婦人科学会,日本産婦人科医会(編) : CQ403 帝王切開既往妊婦が経腟分娩(TOLAC, trial of labor after cesarean delivery)を希望した場合は? 産婦人科診療ガイドライン―産科編2020.pp199-201,日本産科婦人科学会,2020
3)日本産科婦人科学会,日本産婦人科医会(編) : CQ501 妊婦に子宮筋腫を認めた場合の対応は? 産婦人科診療ガイドライン―産科編2020.pp279-280,日本産科婦人科学会,2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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