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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科75巻4号

2021年04月発行

増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために

周産期

Q14 風疹にかかってしまい「赤ちゃんが先天奇形になるかもしれない」と言われました.どうすればよいですか?

著者: 下屋浩一郎1

所属機関: 1川崎医科大学産婦人科学1

ページ範囲:P.128 - P.129

文献概要

A14

 妊娠初期に風疹に感染すると,児に先天性風疹症候群(congenital rubella syndrome : CRS)を引き起こすことがあります.症状として先天性心疾患,白内障,難聴が代表的で,ほかにも網膜症,肝脾腫,血小板減少,糖尿病,発育遅滞,精神運動発達遅滞,小眼球など多岐にわたる症状を呈します.妊娠週数が早いほどCRSの罹患率が高いといわれますが,母体の感染がそのまま胎児感染を意味しているわけではありません.皮膚科で診断されているので診断に間違いはないと思いますが,念のため風疹ウイルス特異的抗体の検査を行って風疹ウイルス感染の確認をするのがよいと思います.IgM抗体を測定することで感染の診断ができます1).今後の対応について詳しい情報を得るために,「風疹流行および先天性風疹症候群の発生抑制に関する緊急提言」掲載の各地区ブロック相談窓口(2次施設)への相談・紹介ができます.さらに2次施設では「羊水による胎児感染診断の必要性」について相談したうえで,必要があればpolymerase chain reaction(PCR)検査実施可能な施設への仲介などの対応を行っています2)

参考文献

1)潮田至央,他 : 周産期医学46(増刊) : 124-126,2016
2)日本産婦人科医会:各地区相談窓口(風疹り患妊婦2次相談施設)全国18施設(HP公開)2018年11月1日.http://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/ 2018/10/rubella_soudanlist.pdf(2020年12月アクセス)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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