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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科75巻4号

2021年04月発行

増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために

不妊・不育

人工授精を行うにあたっての患者説明

著者: 近藤哲郎1 河野春香1

所属機関: 1昭和大学江東豊洲病院産婦人科

ページ範囲:P.155 - P.158

文献概要

必ず説明しておくべきこと

◆人工授精という言葉で患者が誤解,身構えないように説明する.子宮内精子注入法(IUI)のほうが患者にとってわかりやすいかもしれない.体外受精とは異なり,子宮内に精子を入れる手助けをする治療であり,自然妊娠に近い治療法であることを理解してもらう.また,精液を得るため夫(提供者)の協力が不可欠であるため,夫(提供者)の理解が重要である.

◆卵管が開通していること,排卵が可能であること,重度の乏精子症および無精子症でないことが実施の条件である.これらの条件を満たしても妊娠に至らない場合がある.期待される妊娠率は,患者年齢での想定を超えることはないと考えられる.

◆人工授精特有の副作用と,一般的な妊娠合併症の可能性との両方がある.

◆人工授精の回数については6回程度を目安にしている施設が多いが,症例によってステップアップについてマネジメントする.

参考文献

1)久慈直明,他 : 産婦の実際53 : 193-198, 2004
2)日本生殖医学会(編) : 生殖医療の必修知識2020.日本生殖医学会,東京,p287,2020
3)Randall JM,et al : Fertil Steril 56 : 208-212, 1991
4)Díaz I, et al : J Reprod Med 53 : 33-39, 2008
5)Rijsdijk OE, et al : Reprod Biomed Online 39 : 262-268, 2019
6)Pasquier C, et al : AIDS 14 : 2093-2099, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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