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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科75巻4号

2021年04月発行

増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために

不妊・不育

Q2 一般不妊治療と生殖補助医療ではどちらの成功率が高いですか?

著者: 長谷川祐子1 岩瀬明1

所属機関: 1群馬大学医学部産科婦人科学

ページ範囲:P.195 - P.196

文献概要

A2

 一般的に,通常の夫婦生活(セックス)を行っている場合,1年間で約80%が妊娠するとされており,1年を過ぎて妊娠しない場合は不妊症の診断となります.年齢,不妊原因・期間などにより,それぞれのカップルに合った治療方法を選択していきます.人工授精(artificial insemination of husband : AIH)の場合,1周期当たりの妊娠率は5〜10%程度です.初回の妊娠率は高い傾向にありますが,回数を重ねた場合の累積妊娠率は5〜6周期で頭打ちになるため,5〜6周期程度,年齢や不妊因子によってはもっと早く生殖補助医療(assisted reproductive technology : ART)にステップアップしていくことを考えます.ARTの妊娠率は,2018年のわが国のデータだと治療当たりの妊娠率は17.6%,胚移植当たりの妊娠率は31.9%です1).35歳以降は年齢の上昇とともに,妊娠率は低下し流産率が上昇するため,出産に至る割合は漸減し,治療当たりの出産率は37歳の場合はおよそ15〜16%,40歳だと9〜10%となります.

参考文献

1)日本産科婦人科学会 : ARTデータブック2018.https://plaza.umin.ac.jp/〜jsog-art/2018data_20201001.pptx(2020年12月アクセス)
2)Harris ID, et al : Fertil Steril 94 : 144-148, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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