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文献概要
増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために 不妊・不育
Q3 なぜ最初から体外受精をしてもらえないのですか?
著者: 辰巳賢一1
所属機関: 1梅ヶ丘産婦人科
ページ範囲:P.196 - P.197
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体外受精などの生殖補助医療は,確かに妊娠率の高い治療法です.しかし,あなたの場合,検査結果には異常もなく,年齢も若いので,生殖補助医療を行わなくても妊娠できる可能性が十分あります.
通常,最初から生殖補助医療を行ったほうが一般不妊治療から始めるより早く妊娠できることが多いのですが,逆に一般不妊治療を行ったほうが早く妊娠できる場合もあります.生殖補助医療の安全性に関しては,ほぼ確立していると考えられますが,採卵時の腹腔内出血,採卵後の腹膜炎,卵巣過剰刺激症候群などが起こることがあります.生殖補助医療による出生児の生下時体重は,日本全体の統計に比べ,新鮮胚移植では軽くなり,凍結胚移植では重くなります.生まれてくる男女比も,生殖補助医療での妊娠と日本全体の統計では少し異なります.わずかの差ですが,生殖補助医療妊娠は通常妊娠とは少し異なっていると考えられており,児の長期的な予後についてはまだ不明です.前置胎盤,妊娠高血圧症候群などの産科的リスクが増えるという報告もあります.
体外受精などの生殖補助医療は,確かに妊娠率の高い治療法です.しかし,あなたの場合,検査結果には異常もなく,年齢も若いので,生殖補助医療を行わなくても妊娠できる可能性が十分あります.
通常,最初から生殖補助医療を行ったほうが一般不妊治療から始めるより早く妊娠できることが多いのですが,逆に一般不妊治療を行ったほうが早く妊娠できる場合もあります.生殖補助医療の安全性に関しては,ほぼ確立していると考えられますが,採卵時の腹腔内出血,採卵後の腹膜炎,卵巣過剰刺激症候群などが起こることがあります.生殖補助医療による出生児の生下時体重は,日本全体の統計に比べ,新鮮胚移植では軽くなり,凍結胚移植では重くなります.生まれてくる男女比も,生殖補助医療での妊娠と日本全体の統計では少し異なります.わずかの差ですが,生殖補助医療妊娠は通常妊娠とは少し異なっていると考えられており,児の長期的な予後についてはまだ不明です.前置胎盤,妊娠高血圧症候群などの産科的リスクが増えるという報告もあります.
参考文献
1)辰巳賢一 : Q8 一般不妊治療と生殖補助医療の成功率はどの程度ですか? その理由は? なぜ最初から体外受精をしてはいけないのですか? 久慈直昭・他(編) : 今すぐ知りたい! 不妊治療Q&A―基礎理論からDecision Makingに必要なエビデンスまで.pp23-24,医学書院,東京,2019
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