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増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために 不妊・不育
Q5 はっきりした原因がないのにどうして妊娠できないのですか?
著者: 梶原健1
所属機関: 1埼玉医科大学産科婦人科
ページ範囲:P.198 - P.200
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あなたのように,不妊症スクリーニング検査を行っても,明らかな原因が特定できない場合を,原因不明不妊または機能性不妊といいます.原因不明不妊は不妊カップルの10〜30%を占めるといわれていますが,各施設によって検査項目が異なるため,その頻度は一定していません.しかし,原因不明不妊の女性に腹腔鏡検査をすると,子宮内膜症や骨盤内癒着を指摘される症例も多数あります.
治療法は女性の年齢と不妊期間を考慮して選択します.一般的には女性の年齢が30歳未満で不妊期間が2年以内であれば,自然妊娠を期待して経過をみてもよいかもしれません.逆に35歳以上で不妊期間が2年以上であれば,排卵誘発や人工授精など積極的な治療を考慮すべきだと思います.特に40歳以上の場合は積極的に体外受精などの生殖補助医療を考慮してもよいと思います.また最近,慢性子宮内膜炎という病気が注目されており,着床不全が疑われる場合は検査を受けてもよいかもしれません.
あなたのように,不妊症スクリーニング検査を行っても,明らかな原因が特定できない場合を,原因不明不妊または機能性不妊といいます.原因不明不妊は不妊カップルの10〜30%を占めるといわれていますが,各施設によって検査項目が異なるため,その頻度は一定していません.しかし,原因不明不妊の女性に腹腔鏡検査をすると,子宮内膜症や骨盤内癒着を指摘される症例も多数あります.
治療法は女性の年齢と不妊期間を考慮して選択します.一般的には女性の年齢が30歳未満で不妊期間が2年以内であれば,自然妊娠を期待して経過をみてもよいかもしれません.逆に35歳以上で不妊期間が2年以上であれば,排卵誘発や人工授精など積極的な治療を考慮すべきだと思います.特に40歳以上の場合は積極的に体外受精などの生殖補助医療を考慮してもよいと思います.また最近,慢性子宮内膜炎という病気が注目されており,着床不全が疑われる場合は検査を受けてもよいかもしれません.
参考文献
1)Wang R, et al : Cochrane Database Syst Rev 9 : CD012692, 2019
2)Zolton JR, et al : Fertil Steril 113 : 417-425, 2020
3)Ray A, et al : Reprod Biomed Online 24 : 591-602, 2012
4)Cicinelli E, et al : Am J Reprod Immuno 79 : e12782, 2018
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