icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科75巻4号

2021年04月発行

文献概要

増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために 不妊・不育

Q7 なぜクラミジア検査をするのですか? 感染していたらどうすればよいのですか?

著者: 佐藤健二1

所属機関: 1東海大学医学部専門診療学系産婦人科

ページ範囲:P.201 - P.202

文献購入ページに移動
A7

 クラミジアは性病の1つで,性交により感染する可能性があり,女性においては,子宮の入り口から卵管へと感染する可能性があり,卵管先端や周囲の癒着を引き起こすことがあります.これにより排卵した卵子を卵管に取り込みにくくなったり,卵管内に水が貯留してしまうこともあります.

 また,クラミジアが感染しているにもかかわらず,不妊検査の1つである子宮卵管造影検査や卵管通水検査を行ってしまうと,クラミジアがお腹の中に拡散してしまい,検査後に腹膜炎を引き起こすことがあるため,検査前のクラミジア検査が必要となります.男性側も,感染が精子の通り道(精管)に炎症をきたし,精管が狭窄または閉塞する可能性があります.さらに精子が作られる精巣まで感染が及ぶと,精子数の低下や異常精子が増える可能性があります.

参考文献

1)Wiesenfeld HC : N Engl J Med 376 : 765-773, 2017
2)Stamm WE, et al : Holmes KK, et al(eds) : Sexually Transmitted Diseases, 4th ed. pp575-595, McGraw-Hill, New York, 2008
3)Bryan ER, et al : Biol Reprod 102 : 888-901, 2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?