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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科75巻4号

2021年04月発行

文献概要

増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために 思春期・若年期

Q1 乳房はいつから膨らむのが普通ですか? 病院に行ったほうがよいのはどのような場合ですか?

著者: 綾部琢哉1

所属機関: 1帝京大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.220 - P.220

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A1

 乳房発育は9歳から11歳までに始まることが多いです.それより早くても遅くても時期がずれた原因を治療する必要がありますし,結果として身体の別の場所に起こりうることを予防する必要もあります1).ですからいずれの場合でも,病院に行ったほうがよいでしょう.

 乳房発育はエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンによりコントロールされています.エストロゲンの分泌開始が早すぎたり遅すぎたりすることが,結果として乳房発育が始まる年齢に影響します.さらにエストロゲンは乳房発育だけでなく,全身のさまざまなところに関係しています.例えばエストロゲンは初めは骨を育てますが,やがて骨が伸びるのを止めるように作用します.このためエストロゲン分泌の開始年齢が早すぎると一時的には背が伸びますが,伸びが止まる年齢も早くなるため,大人になったときには背が低くなります.また,エストロゲンは子宮を育てたり,骨を強くしたりするなどの作用があります.エストロゲンが足りないと適切な年齢のときに子宮が育たなかったり,骨のカルシウムが少なくなったりします.

参考文献

1)綾部琢哉 : 早発思春期,遅発思春期.日本産科婦人科学会(編): 産婦人科研修の必修知識2016-2018. p424,日本産科婦人科学会,東京,2016
2)生水真紀夫 : 月経.岡井 崇・他(編) : 標準産科婦人科学,第4版.p39,医学書院,東京,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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