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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科75巻4号

2021年04月発行

増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために

思春期・若年期

Q3 月経前に憂うつになったり,おなかが痛くなったりするのはなぜですか? 月経が始まると消えるのはなぜですか?

著者: 江川美保1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科婦人科学産科学

ページ範囲:P.222 - P.223

文献概要

A3

 それは月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)といい,排卵のある正常な月経周期においてさまざまな心身両面の症状が月経前の数日間,長ければ2週間の期間にわたり,毎周期繰り返し現れるものです.卵巣・子宮の形,機能には異常はなく,検査では何の異常も見つかりません.症状の記録をつけてみて,月経前に何らかの症状が現れて月経が始まると和らいでくるパターンが確認できればPMSと診断されます.対処法としては,まず症状を記録してPMSであることに気づき,月経前には無理をしないで過ごそうという意識をもち,スケジュール,仕事,環境などを調整するようにしましょう.そして規則正しい睡眠や軽い運動など生活習慣改善を心がけ,食生活では特にカフェイン,アルコールや甘いものを控えるようにします.それでも症状が生活に支障をきたすほどであれば治療の対象になります.産婦人科では低用量ピルや漢方薬など,あなたにあった治療を受けることができます.精神症状が強い場合は心療内科/精神科受診が勧められます.

参考文献

1)日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会(編) : 産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2020.pp174-176,日本産科婦人科学会,2020
2)江川美保 : 日産婦誌72 : 1718-1722,2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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