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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科75巻4号

2021年04月発行

文献概要

増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために 思春期・若年期

Q7 娘への接種を考えていますが,子宮頸がんを予防するワクチン(HPVワクチン)は本当に安全ですか?

著者: 宮城悦子1

所属機関: 1横浜市立大学附属病院産婦人科

ページ範囲:P.226 - P.227

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A7

 子宮頸がんを予防するヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは,多くの国で,性交渉開始前の女児を中心に80〜90%の接種率を達成しています.一般的にワクチン接種後は,比較的短期間に改善する症状と,ワクチン接種との直接な関係が証明できないさまざまな症状が起こる可能性があります.もしも,ワクチン接種後にさまざまな症状が続く場合には,接種した施設を通じて専門医の診察を受け,地域でカウンセリングやリハビリテーションなどの適切な治療を実施し,二次的な身体の不調につなげないことが重要です.国のワクチン接種プログラムであるHPVワクチンについても,接種した医療施設と専門施設が連携するシステムが各都道府県にできています.高い子宮頸がん予防効果が証明されているHPVワクチン接種の利益と不利益を理解したうえで,接種するかを決めてください.

参考文献

1)Konno R, et al : Int J Gynecol Cancer 19 : 905-911, 2009
2)厚生労働省:厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会資料(第10回2014年7月4日開催・第23回2016年12月26日開催).https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000092011.html(2020年12月アクセス)
3)Suzuki S, et al : Papillomavirus Res 5 : 96-103, 2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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