文献詳細
増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために
婦人科疾患
文献概要
A1
腟内に突出している子宮の下端部を子宮腟部といい,分娩時に新生児が出生してくる開口部を外子宮口,その上方の通路の部分を子宮頸管と呼びます.子宮頸管は頸管粘膜という,円柱形の組織が密集した腺組織で覆われています.性成熟期の女性の多くは,この頸管粘膜が外子宮口からさらに外側に広がり,子宮腟部を覆うように観察されます.頸管粘膜を構成している円柱構造がびらんのように見えるため,子宮腟部びらんと呼ばれます(図1).頸管粘膜の表皮はとても薄いため,血管像が透過して赤く見え,表面を軽くこすっただけでも出血しやすい組織です.今回の場合,子宮頸管ポリープや子宮頸がんなど出血の原因となる疾患を診察上認めず,性交時の出血というエピソードから,診察医が性交時の物理的刺激で表皮がはがれ出血したと推測し,子宮腟部びらんと説明したものと思われます.
腟内に突出している子宮の下端部を子宮腟部といい,分娩時に新生児が出生してくる開口部を外子宮口,その上方の通路の部分を子宮頸管と呼びます.子宮頸管は頸管粘膜という,円柱形の組織が密集した腺組織で覆われています.性成熟期の女性の多くは,この頸管粘膜が外子宮口からさらに外側に広がり,子宮腟部を覆うように観察されます.頸管粘膜を構成している円柱構造がびらんのように見えるため,子宮腟部びらんと呼ばれます(図1).頸管粘膜の表皮はとても薄いため,血管像が透過して赤く見え,表面を軽くこすっただけでも出血しやすい組織です.今回の場合,子宮頸管ポリープや子宮頸がんなど出血の原因となる疾患を診察上認めず,性交時の出血というエピソードから,診察医が性交時の物理的刺激で表皮がはがれ出血したと推測し,子宮腟部びらんと説明したものと思われます.
参考文献
1)日本産科婦人科学会(編・監) : 産科婦人科用語集・用語解説集 改訂第4版,日本産科婦人科学会,東京,2018
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