icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科75巻4号

2021年04月発行

増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために

婦人科疾患

Q4 性感染症はパートナーも検査と治療が必要だと言われましたが,パートナーは症状がないと言って検査をしてくれません.どうしたらよいですか?

著者: 藤原道久1

所属機関: 1川崎医科大学総合医療センター産婦人科

ページ範囲:P.301 - P.302

文献概要

A4

 パートナーに症状がなくても治療が必要なものには,クラミジア,淋菌,梅毒,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染,腟トリコモナス症などがあります.ヘルペスやコンジローマは,症状がなければ無治療で経過観察します.クラミジアや淋菌では治療をせずに放置することで,感染が子宮から卵管へ進み卵管炎を発症すると卵管狭窄や閉塞をきたし,不妊症の原因となることもあります.骨盤まで感染が広がることにより骨盤内の炎症を発症し,腹痛の原因となることもあります.

 あなただけが治療を行ってもパートナーが未治療ならば,パートナーからあなたに再感染(ピンポン感染)し,あなたの治療が無意味になってしまうので,2人が同時に治療を行うのが原則です.しかし「検査はイヤだが治療だけは受ける」と言われた場合には,原則自費であなたと同じ薬を処方・服用してもらうことも可能です.

参考文献

1)日本性感染症学会(編) : 日本性感染症学会誌27 : s129, 2016
2)Workowski KA, et al : MMWA Recomm Rep 64 : 1-137, 2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら