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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科75巻4号

2021年04月発行

文献概要

増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために 悪性腫瘍

Q4 広汎子宮全摘出後,排尿障害が続いています.いつまで続くのでしょうか?

著者: 関山健太郎1

所属機関: 1京都大学医学部附属病院産科婦人科

ページ範囲:P.389 - P.390

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 術前にお話ししたとおり,広汎子宮全摘出術による合併症として術後の排尿障害が昔から問題となっていました.子宮頸がんは○○さんのように比較的若い女性に多い病気です.手術で病気が治ったとしても,一生自己導尿を続けなければならないと生活の質(QOL)を大きく落としてしまいます.そこで最近では神経温存術式という方法が確立され,排尿に必要な神経を温存しつつ子宮頸がんの手術を行うようになりました.○○さんに対しても神経温存術式を行い,排尿に必要な神経を温存していますが,神経付近の出血に対して縫合止血していますので,神経の一部が傷ついた可能性があります.それでも排尿神経は切断されていないので,時間の経過とともに回復が期待できます.○○さんの場合は,術後6か月以内に自己導尿が不要となる可能性が高いと考えています.それまでは焦らずに決められた回数の自己導尿を続けて,膀胱への過剰な負担を避けるようにしましょう.

参考文献

1)関山健太郎 : 産婦の実際67 : 1759-1764, 2018
2)久末伸一,他 : 泌外22 : 61-66, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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