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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科75巻8号

2021年08月発行

文献概要

今月の臨床 エキスパートに聞く 耐性菌と院内感染―産婦人科医に必要な基礎知識 耐性菌各論―診断法と制御・治療戦略

カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)

著者: 幸福知己1

所属機関: 1住友病院感染制御部

ページ範囲:P.759 - P.765

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●CREとはカルバペネム系抗菌薬に耐性を獲得した腸内細菌科細菌の総称である.CREには,カルバペネマーゼ産生のCREとカルバペネマーゼ非産生のCREが存在する.カルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌はCPEと呼ばれ,必ずしもCRE=CPEとはならない.

●CPEによる菌血症では,カルバペネマーゼ非産生菌によるものと比較して治療予後が悪いと報告されており,治療する際には両者の鑑別が必要である.

●カルバペネマーゼ非産生のCRE感染症に対する治療は,薬剤感受性試験の結果にもとづき抗菌薬を選択し,CPE感染症では併用療法が基本となる.

●CRE,CPEともに感染症治療および感染制御のうえで重要な耐性菌である.薬剤耐性遺伝子がプラスミド上に存在するCPEではより厳重な感染対策が必要である.

参考文献

1)感染症法届出基準カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症.http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-140912-1.html
Bacteremia.Clin infect Dis 64 : 257-264, 2017
3)国立感染症研究所感染症疫学センター : 感染症法に基づくカルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症の届出状況2019年.2020年12月現在(掲載日 : 2021年4月25日) https://www.niid.go.jp/niid/ja/cre-m/cre-idwrs
bloodstream infections : lowering mortality by antibiotic combination schemes and the role of carbapenems. Antimicrob Agents Chemother 58 : 2322-2328, 2014
5)JAID/JSC感染症治療ガイド・ガイドライン作成委員会(編) : JAID/JSC感染症治療ガイド2019.日本感染症学会・日本化学療法学会,2019
6)大神田敬,他 : CPEおよびnon-CPEに対するコリスチンおよびチゲサイクリンを用いない併用療法のin vitro併用効果.日化療会誌67 : 605-619, 2019
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10)医療機関における院内感染対策について.厚生労働省医政局地域医療計画課長通知(医政地発1219第1号).2014年12月19日
11)郡山市保健所管内におけるKPC型カルバペネム耐性腸内細菌科細菌による院内感染事例.IASR 40 : 27, 2019
from a pregnant woman returning to Japan from India. Jpn J Infect Dis 72 : 281-283, 2019
13)多剤耐性グラム陰性桿菌の感染管理に関連するアンケート結果の報告.日本環境感染学会多剤耐性菌感染制御委員会報告.http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/tazai-houkoku.pdf

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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