icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科75巻8号

2021年08月発行

文献概要

今月の臨床 エキスパートに聞く 耐性菌と院内感染―産婦人科医に必要な基礎知識 産婦人科診療時に耐性菌が検出された際の対応

―【周産期】 ―妊婦GBSスクリーニングと耐性菌

著者: 野口靖之1

所属機関: 1愛知医科大学産婦人科学講座

ページ範囲:P.766 - P.769

文献購入ページに移動
●妊婦GBSスクリーニングにおいて,薬剤耐性を有する一般細菌が偶発的に分離されることがある.

●腟内や腸管内に存在する薬剤耐性菌としてMRSA,ESBL産生菌,BLNAR,淋菌などが挙げられる.

●薬剤耐性菌の保菌妊婦は,標準予防策(スタンダード・プリコーション)を心掛け,新生児への水平感染を予防する.

●妊婦GBSスクリーニングで得られた薬剤耐性菌の保菌情報は,母体の尿路感染症,帝王切開または産褥熱の治療,また早期新生児感染症の治療において抗菌薬を選択するうえで有益な情報となる.産科医だけでなく小児科医の間で情報共有が必要である.

参考文献

1)日本産科婦人科学会,他 : CQ603 正期産新生児の早発型B群溶血性レンサ球菌(GBS)感染症を予防するためには? 産婦人科診療ガイドライン―産科編2020.pp297-299,2020
2)今中 基 : 【産婦人科感染症の全て】各論[産科] 周産期と感染 周産期とMRSA感染.産と婦67 : 1502-1507, 2000
3)永江 世,他 : 当院3年間の腟細菌培養における基質拡張型βラクタマーゼ(ESBL)産生菌検出率の推移.関東連産婦会53 : 661-665, 2016
4)Collins S, et al : Risk of invasive Haemophilus influenzae infection during pregnancy and association with adverse fetal outcomes. JAMA 311 : 1125-1132, 2014
5)日本産科婦人科学会,他 : CQ102 淋菌感染症の診断と治療は?.産婦人科診療ガイドライン―外来編2020.pp4-5,日本産科婦人科学会事務局,2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?