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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科75巻9号

2021年09月発行

文献概要

今月の臨床 産科手術を極める(Ⅰ)―妊娠中の処置・手術

妊娠中の子宮頸部円錐切除術

著者: 仲村勝1 青木大輔1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.822 - P.826

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●生検組織診が子宮頸部上皮内腫瘍3(CIN3)であり,細胞診とコルポスコピー所見が一致している場合には,妊娠中の円錐切除術は延期が考慮され,分娩後に再評価する.

●生検組織診が上皮内腺癌(AIS)や間質浸潤を認めるⅠA期が疑われるような場合には,妊娠中であっても診断確定のために診断的円錐切除術を行うことが推奨される.

●妊娠中の円錐切除術では,出血や流早産のリスクがあることに留意する.円錐切除術後の予防的な子宮頸管縫縮術の実施には明らかなエビデンスがない.

参考文献

1)日本婦人科腫瘍学会(編) : 子宮頸癌治療ガイドライン2017年版.p168,金原出版,2017
2)Ferris DG, et al : Colposcopy and pregnancy. American Society for Colposcopy and Cervical Pathology : Modern colposcopy text & atlas third edition. pp372-373, Lippincott Williams & Wilkins, 2011
3)久布白兼行,他 : 子宮頸部円錐切除術における妊孕能温存.産と婦68 : 1024-1030, 2001
4)Hunter MI, et al : Cervical neoplasia in pregnancy. Part 1 : screening and management of preinvasive disease. Am J Obstet gynecol 199 : 3-9, 2008
5)岩田 卓,他 : 子宮頸部円錐切除術.産と婦76 : 217-223, 2009
6)仲村 勝,他 : 妊娠中子宮頸部円錐切除術―妊娠への配慮.周産期医49 : 1453-1455, 2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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