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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科76巻1号

2022年01月発行

合併増大号 今月の臨床 産婦人科医が知っておきたい臨床遺伝学のすべて

周産期

出生前検査の妊婦への周知

著者: 保坂千秋1 浜之上はるか1

所属機関: 1横浜市立大学附属病院遺伝子診療部

ページ範囲:P.35 - P.41

文献概要

●出生前検査は,「妊娠中に胎児が何らかの疾患に罹患していると思われる場合に,その正確な病態を知るために」実施される.出生前検査でリスク評価が可能な疾患は,先天性疾患の一部である.

●出生前検査のニーズが高まる一方で,医療機関などからの出生前検査に関する情報発信は限定的であり,妊婦らのニーズとの乖離を生んでいる.妊婦らのニーズを踏まえ,出生前検査のあり方について議論が進んでいる.

●妊娠・出産に関する包括的な支援の一環として,妊婦およびそのパートナーが正しい情報のもと意思決定を行えるよう適切に支援すべきである.そのために,妊娠初期段階の妊婦らへ誘導とならない形で,出生前検査に関する情報を提供していくことが適切である.

●遺伝カウンセリングでは,適切な情報提供を行い,相談者が率直な気持ちを表出しやすいように配慮し,正しい知識と広い視野をもってその人らしい選択をできるように支援する.

参考文献

1)日本産婦人科学会:出生前に行われる遺伝学的検査および診断に関する見解.2013年6月
2)厚生科学審議会科学技術部会,NIPT等の出生前検査に関する専門委員会:NIPT等の出生前検査に関する専門委員会報告書.2021
3)厚生科学審議会先端医療技術評価部会 出生前診断に関する専門委員会:母体血清マーカーに関する見解(報告),1999年6月
4)関沢明彦,他(編) : 周産期遺伝カウンセリングマニュアル 改訂2版.中外医学社,2017
5)Wellesley D, et al : Rare chromosome abnormalities, prevalence and prenatal diagnosis rates from population-based congenital anomaly registers in Europe. Eur J Hum Genet 20 : 521-526, 2012
6)栗城紘子,他 : 出生前診断における遺伝カウンセリング(NIPTを除く).産婦の実際68 : 163-164, 2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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