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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科76巻4号

2022年04月発行

文献概要

増刊号 最新の不妊診療がわかる!―生殖補助医療を中心とした新たな治療体系 第5章 提供精子・提供卵子

精子提供と提供精子の需要,子どもの出自を知る権利

著者: 吉政佑之1 浜谷敏生1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.282 - P.285

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▶提供精子の需要は高まっているが,今後ドナーの匿名性が担保されない可能性があることから精子ドナーは減少傾向にある.
▶現在,本邦においてはSocial Network Serviceを利用した個人間の精子提供も散見され,また海外医療ツーリズムも含めさまざまな精子提供形式が存在している.海外ですでに大きな社会的役割を果たしている世界最大のドナーバンクにも日本からアクセスが可能となっている.
▶子どもの出自を知る権利をめぐって,本邦におけるさまざまなドナーバンクの規制,精子ドナー個人情報の管理などについて社会的コンセンサスの形成や法の整備が待たれる.

参考文献

1)浜谷敏生,他 : 提供精子を用いた人工授精(AID).臨婦産72 : 163-166, 2018
2)日本産科婦人科学会 会告 : 提供精子を用いた人工授精に関する見解.日産婦誌73 : 927-929, 2021
3)日本産科婦人科学会 提供配偶子を用いる生殖医療に関する検討委員会 : 精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療制度の整備に関する提案書.https://www.jsog.or.jp/news/pdf/20210608_shuuchii rai.pdf(参照 : 2021-11-18)
4)遠矢和希 : 出自を知る権利.産と婦83 : 281-285, 2016
5)Cryos International : 個人のお客様.https://www.cryosinternational.com/ja-jp/dk-shop/個人のお客様/(参照:2021-11-18)
6)日本生殖医学会 倫理委員会報告 : 「提供配偶子を用いる生殖医療についての提言」の改訂.http://www.jsrm.or.jp/guideline-statem/guide line_2020_09.html(参照 : 2021-11-18)
7)片桐由起子,他 : 令和2年度倫理委員会 登録・調査小委員会報告(2019年分の体外受精・胚移植等の臨床実施成績および2021年7月における登録施設名).日産婦誌73 : 1089-1110, 2021
8)Ton Bébé https://www.tonbebe.jp/(参照 : 2021-11-18)
9)こうのとりネスト https://kounotorinest.com/(参照 : 2021-11-18)
10)中田久美子,他 : 日本におけるonline sperm donationの実態調査(会議録).日生殖医会誌66 : 120, 2021

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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