icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科76巻4号

2022年04月発行

文献概要

増刊号 最新の不妊診療がわかる!―生殖補助医療を中心とした新たな治療体系 第5章 提供精子・提供卵子

卵子提供とその問題点

著者: 久具宏司1

所属機関: 1東京都立墨東病院産婦人科

ページ範囲:P.286 - P.289

文献購入ページに移動
▶卵子提供は,通常の体外受精の延長上に位置付けられる技術であるが,胎児が母体にとって遺伝的つながりをもたない「非自己」であることから,妊娠高血圧症候群などのハイリスク妊娠となりやすい.
▶民法特例法の施行により,第三者が関与する妊娠で生まれた子の親子関係が法律で規定された.これまでの判例同様に,卵子提供妊娠で生まれた子の母親は産んだ女性であることが明記された.
▶卵子提供を実施に移すには,子どもの権利条約を尊重し,提供者募集の際の商業主義や優生思想を排除する制度の構築が重要である.産婦人科医の役割は,提供を受けるカップルを適切に診断することにある.

参考文献

1)法務省:生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律の概要 https://www.moj.go.jp/content/001342903.pdf ; https://www.moj.go.jp/content/001342904.pdf
2)厚生労働省 : 「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療制度の整備に関する報告書」について.2003年5月21日 https://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/04/s0428-5.html
3)久具宏司 :近未来の〈子づくり〉を考える―不妊治療のゆくえ.春秋社,2021
4)Berntsen S, et al : Pregnancy outcomes following oocyte donation. Best Pract Res Clin Obstet Gynaecol 70 : 81-91, 2021
5)Moreno-Sepulveda J, et al : Risk of adverse perinatal outcomes after oocyte donation : a systematic review and meta-analysis. J Assist Reprod Genet 36 : 2017-2037, 2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?