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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科76巻5号

2022年05月発行

今月の臨床 妊娠時の栄養とマイナートラブル豆知識―妊娠生活を快適に過ごすアドバイス

妊婦にみられるマイナートラブルと薬剤投与のコツ

妊娠悪阻・唾液分泌過多に対する漢方療法―小半夏加茯苓湯などの処方の実際

著者: 森裕紀子1 花輪壽彦1

所属機関: 1北里大学東洋医学総合研究所

ページ範囲:P.459 - P.464

文献概要

●日本の添付文書の多くは「妊娠中の投与に関する安全性は確立していない」と記載がある.漢方薬も同様だが,長い歴史のなかで悪阻に用いる一般漢方エキス製剤は安全と考える.

●つわりの漢方治療の選択には,妊婦の性格や妊娠に対する不安の有無から「気剤」の必要性と,「冷え」の有無が,鑑別のポイントである.

●一般にエキス製剤は湯に溶かしての服用を推奨するが,つわりの場合は冷服でもよい.

参考文献

1)三浦清徳 : つわり,妊娠悪阻.綾部琢哉,他(編):標準産科婦人科学,第5版,p364,医学書院,2021
2)康永秀生 : 医療ビッグデータを用いた漢方研究.産と婦33 : 951-955, 2019
3)lllamola SM, et al : Use of herbal medicine by pregnant women : what physicians need to know. Front Pharmacol 10 : 1483, 2020
4)日本産科婦人科学会,他(編・監修):産婦人科診療ガイドライン―産科編.p108,日本産科婦人科学会事務局,2020
5)川鍋伊晃,他 : 北里東医研診療録から 妊娠中に出現した唾液過多に五苓散料が有効であった一例.漢方の臨62 : 1526-1530, 2015
6)中山 毅,他 : 六君子湯は妊娠悪阻による悪心嘔吐や食欲低下を軽減する.日東洋医誌68 : 105-110, 2017
7)礒濱洋一郎 : 漢方薬の利水作用とは 利水剤の薬理作用とアクアポリンの密接な関係.HORM FRONT GYNECOL 26 : 263-267, 2019
8)花輪壽彦(編) : 漢方処方ハンドブック.p40,医学書院,2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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