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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科76巻6号

2022年06月発行

今月の臨床 生殖医療・周産期にかかわる法と倫理―親子関係・医療制度・虐待をめぐって

新しい家族のかたちをめぐる諸問題

LGBTカップルが子をもつ場合の親子関係

著者: 中塚幹也123

所属機関: 1岡山大学学術研究院保健学域 2岡山大学病院リプロダクションセンター 3岡山大学ジェンダークリニック

ページ範囲:P.547 - P.553

文献概要

●戸籍の性別変更の特例法には,婚姻要件(婚姻をしていない),子なし要件(未成年の子がいない),手術要件(生殖腺がない,または生殖腺の機能を永続的に欠く)がある.

●欧米の生殖医学会は,人種や国籍とともに,性的指向,性自認,あるいは,婚姻の状態により,生殖医療の提供を制限すべきではないとしている.

●2020年12月に成立した生殖医療民法特例法では,配偶子提供により生まれた子どもの親子関係を規定しているが,その対象となるLGBT当事者の視点での議論が求められている.

参考文献

1)中塚幹也 : 性的マイノリティ当事者を取り巻く現状―法律,結婚,生殖医療など.医学のあゆみ279 : 288-292, 2021
2)中塚幹也 : LGBT当事者と医療 : 第3回LGBT当事者の家族形成と子どものライフプラン.性の健康,2022(印刷中)
3)NHK : LGBT当事者アンケート調査〜2600人の声から〜 https://www.nhk.or.jp/d-navi/link/lgbt/#hajime(2022年1月現在)
4)中塚幹也 : 封じ込められた子ども,その心を聴く―性同一性障害の生徒に向き合う.pp1-260,ふくろう出版,2017
5)中塚幹也 : 連載第8回 : 助産師・看護師に知ってほしいLGBTの基礎知識「LGBT当事者のライフプランへの支援 : 性同一性障害当事者が子どもを持つ」.臨床助産ケア11 : 84-87, 2019
6)中塚幹也 : 性的マイノリティのリプロダクティプ・ヘルス/ライツ.精神科治療31 : 1073-1076, 2016
7)瀬尾奏衣,他 : ジェンダークリニックを受診する性同一性障害当事者における戸籍上の性別変更のための手術要件への意識.GID会誌11 : 129-144, 2018
8)村上優子,他 : 性同一性障害当事者が,生殖医療技術,特別養子縁組で子どもを持つことへの肯定感.GID会誌5 : 31-37, 2012
9)中塚幹也 : 提供精子・卵子による生殖医療 親子関係を明確化する法案提出を契機に望まれる本格的な議論.Yahoo News, 2020年10月26日 https://news.yahoo.co.jp/byline/mikiyanakatsuka/20201026-00204687(2022年1月現在)
10)小川裕介 : 性的少数者カップルに生殖補助医療,4施設から実施回答.朝日新聞デジタル,2019年10月28日 https://www.asahi.com/articles/ASMB744S4MB7PLBJ001.html(2022年1月現在)
11)中塚幹也 : SNS上での精子取引が急増!! 第2次ブームの背景とそのリスクは? Yahooオーサー(2021年4月23日) https://news.yahoo.co.jp/byline/mikiyanakatsuka/20210423-00234090(2022年1月現在)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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